2023-07-08

中年危機脱出のために子ども産んだ

子どもいらない派だった。

理由は「自分時間お金自分に使いたいから」に尽きる。

「いつか子どもを持つかも」くらいは思ったが、

「もし子どもを持ったら」と深堀りはしなかったので、

社会的責任がどうとか、今の時代に産むのはかわいそうとかまでは考えが及ばなかった。

絶対にいらない」派ではなく、今いらない、深く考えない、身近に子どもがいないから考えるきっかけもない

そんな感じで30代に突入した。

相変わらず子どもに興味はなかったが、女であるため、35歳を過ぎれば高齢出産リスク高まる点は気にかかりはじめた。

それで、もし子を産みたくなったら35歳頃までに産める外堀は埋めておこう、と31歳で結婚した。

結婚しても、やはり子を欲しいとは思わなかった。

夫も「子はいてもいなくても」派であり、子ども話題に上がることはほとんどなかった。

ただ、他の状況が変わった。

これまで熱中できた趣味への興味が急速に冷めてしまったのだ。

学生時代同人バンドDJなどを、社会人になってからイラスト文章仕事をと、

ずっとひとつに打ち込んできたわけではないものの、常に何かしら制作活動をしてきた。

仕事趣味の延長線上にあり、途中転職をしつつもずっと楽しく働いていた。

しかし、ちょうど結婚した頃から、めちゃくちゃやる気がなくなってしまった。

結婚したせいか?単に年齢的なものか?

コロナが始まった時期とも重なるので、その影響もあるかもしれない。

とにかく、今までの趣味への情熱が失われ、新しいものも見つからない。

アイドルやら美術館巡りやらダンス教室やら、模索する中で軽くハマれるものはあったものの、

時間を忘れて没頭はできず、暇つぶし程度にしか思えなかった。

急に人生が余生になってしまった感じがし、ひどく落ち込んだ。

夫には「中年危機」という言葉を贈呈された。

そこで、「子どもというビッグイベントを発生させれば、自分人生が再び充実するのでは?」という考えが生まれる。

だって自分のためだけに使いたかった時間が余りまくっているのだ。お金も、とくに使い道がない。

じゃあ、子どもいてもいいじゃん。年齢的にもギリだし。

引き続き「子はどっちでも」であり、趣味にいそしんでいた夫をなだめすかし、泣きつくなどして、子どもを持つ方向に話をすすめる。

検査してみたら不妊治療必要な状況とわかり、そこまでする程ではないなと一度諦めかけるが、運よく自然妊娠した。

そして、35歳で出産。1か月が過ぎた。

産んだ子は初めこそ実感がなくかわいいとも思わなかったが、

世話をし毎日ずっと見ていることでやはりかわいくなってくる。

そして非常に大変な分、期待した通りに私の人生を充実させてくれている。

趣味で得られる充実感とは質が違うが、余生を塗りつぶしているような空虚さや、それによる希死念慮はなくなった。

(夫も子をかわいがり喜んでおり、独断専行にならずに済んでよかった)

しかし、これが続くのもせいぜい十数年、二十年は持たないだろう。子は巣立っていく。

その時にはまた何かを探さなくてはならない。

でも、当面がしのげればそれでいい。

それくらいしか考えずに子どもを産み、育てている。

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