2023-01-08

いつまでゲームをするのか。「若者」と「おじさん」の境目。

あんたいつまでゲームなんてするの。もう20歳も過ぎたんだから

大学生の頃、実家帰省していたときに、ため息をつきながら母親から言われた言葉だ。

私の母は高齢出産ということもあり、価値観昭和のままだ。

その昔、ゲームアニメは、子供とき一時的もので、いい大人が熱を上げているとその人は社会不適合者の烙印を押された。

だが、今やそんな偏見はだいぶ解消されている。オタク市民権を得たのだ。逆に、オタク馬鹿にする人種が、ネットの住人によってその非寛容な人間性糾弾されるケースがよく見受けられる。

当然、上記言葉を言われた大学生の私は、ゲーム馬鹿にしているほうが古臭い考え方で、もう時代は変わったんだよと、考え方をアップデートすることを放棄した母親に対し、やんわりと諭した。

振り返れば、あの頃の私は、若者代表ヅラをして、時代について来れない中高年を冷めた目で見ていた。あれから5年ほどの年月が流れた。もう5年、いやまだ5年。どちらとも言い切れない時の流れに妙に感慨深いものがあるが、気づけば私の悟りはどこへやら、少し雲行きが怪しくなっている。

一つだけ確かなことは、今の私はもうほとんどゲームをしていないという事実だけ。

私が抱いていたはずの、今の若者、つまりこの私は、大人になってもずっとゲームをやり続けるといった確信は、ただの勘違いだったのだろうか。

おかしい。こんなはずでは……。ていうか、むしろゲームなんてしないほうが、他のことに時間を回すことができて良い人生なのでは……。

ふむ。認めたくないものだ。若さゆえの過ちというものは。恐ろしいことに、あのとき鼻で笑っていた年長者のアドバイスが私の頭に浮かんでしまった。

すると私の頭の中に、一人の後輩の姿が思い浮かぶ。彼は未だにゲームに囚われていて、謎の使命感にかられて、必死ゲームランクを上げることに日々を費やしている。

さて、そんな後輩に、私はアドバイスをするべきなのか。

…‥大人になったんなら、ゲームは程々にしたほうがいいよと。

実際に脳内シュミレーションすると、少し背中のあたりがゾクリとした。その後輩が、私が母親を見ていた視線で、私のことを見つめ返してきたのだ。

あれ、もしかして、これが老害の始まり…‥。いや、真っ当な成長か……。

からない、分からない、私には分からない。

糞が詰まった葛藤を一人抱え、今の私はちょうど狭間を漂っている。

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