ネタバレなし。というかネタバレになる程の新展開はそんなにないかも。
全体の感じとしてはアニメの総集編と、更に解釈を分かりやすく付け加えてくれているような、エヴァでいう簡易版まごころを君に的な印象を持った。ああ、この感じ方で監督の言いたいことは間違ってなかったんだ的な。
銀河鉄道の夜未履修だし、色々詳しいことはわからないけれど、何だか人によっては救いのない作品なのかなと。
「例え運命がすべてを奪ったとしても、一度でも愛してると言われた子供は幸せを見つけられる」
と言っているように、この物語の大まかな結論はこれに尽きると思う。
生まれに恵まれなくても、環境に恵まれなくても、レッテルを貼られた人生でも、愛し愛される事で救われる事があると。
その通りだと思う。自分も結婚してて、幼少期とかあんまり恵まれた子供じゃなかったけど、今は愛し愛されて幸せ。
でもふと、愛し愛される相手を見つけられてなかったら?もし相手が死んでしまったら?と画家を前にしているような気持ちになる事があって。この今の幸せはただただ幸運に恵まれただけのラッキーと思っている。
じゃあ乗り換えできてなかったら?また呪いのレールに乗ってしまったら?そんな事誰しもにあり得る出来事だ。
そんな時にこの物語を見たらどう思っただろう?
愛がないと幸せじゃないのか?
愛を見つけられないのは産まれと同じくらい運のなす偶然であり、不条理ではないのか?
愛し愛されない人は来世に期待ってこと?
こんな感情だと思う。
ウテナ時代から幾原監督の作品は見ているけど、どの作品にも総じて愛(自己愛、他人からの愛)が重要なキーワードになっていて、幾原監督は愛を訴える人なんだなと。
それと同時に、監督も愛も平等ではなく、世の中が不条理である事を痛感していて、あえて完全にみんながハッピーになれる訳ではない、考察の余地の残る着地が常なのかなと。
昔はこうやって、良し悪しのはっきりしない、考察しがいのある作品を好んだけれど、大人になると現実を突きつけられているようでちょっと苦しくなる。名作という点に異存はないけれど。
感じるところはあれど、見に行く甲斐ある作品でした。トリプルHの歌声を映画館で聴けただけでなんかもう感慨深かった。
そろそろ上映数が少なくなるので、気になってる方は是非に。
トリプルHって歌うんだ いつも水を吹いてるだけのイメージだったが
ショーンマイケルズとの決めポーズとかいろいろあるだろ
テレビ版挿入歌の灰色の水曜日もトリプルH歌唱だよ〜 劇場版はさらに挿入歌がぐーんと増えてる!
テレビ版のことをアニメ版と言うな映画版だってアニメだろ
https://anond.hatelabo.jp/20220810180112 買いてからしばらくピングドラムについて考えてたんだけど、渡瀬 眞悧って苹果がテレビ版の中で初めて運命を書き換えた学校のうさぎじゃないか? SNSで...