2022-05-18

シン・ウルトラマン、そんなに面白いか?

以下ネタバレを含む。

タイトルに反しているようだが、基本的には面白かった。制作陣のウルトラマンに対する愛情もよくわかった。途中の展開も興味深い。

とんでもない労力と手間をかけたB級作品。あるいはウルトラマンのもの再構成した物語という印象で、観て損したという気持ちにはまったくならないし、好きな人がハマるのもよくわかる。

ただ、ウルトラマンあいはいったいなんなんだ、という想いがどうしてもぬぐえない。特にラスト

味方の行動原理も、敵の行動原理もよく分かるし、ある程度は納得できる中で、ウルトラマン一人だけが理解を拒むような行動原理を貫いているように見えた。

それは人類にとっては非常にありがたく、この先の糧となるものだが、そこまでする理屈理由果たしてウルトラマンにあっただろうか。

この辺、かなり説明不足だと思う。

無理に予想を飛躍させるのであれば、物語の冒頭、神永が子供を助けた衝動が、そのまま人間と融合したウルトラマンにも引き継がれた。神永がほとんど反射的に、無条件かつ命がけで子供を助けに向かったように、神永と融合したウルトラマンも無条件かつ命がけで人類を助けようとした、と考えることもできる。

ただこれ、ウルトラマン視点人類は「助けるべき無力な子供」だったということになる。

どうも自分の中でしっくりこない。

この辺りの違和感を補強するのが、ウルトラマン以外の知性ある禍威獣、登場人物たちで、彼らの心情や行動原理はわかりやすいし納得もできる。別の言い方をすれば、非常に俗っぽいし、人間味のあるキャラクターだ。

からこそ、ウルトラマン最後決断が、己の命を捨てても人間一人を助ける高潔さが、どうにも浮き上がっているように見えた。

繰り返すが、基本的には面白かったし楽しめた。

ただ、最後ウルトラマン献身理解できなかったし、あの世界の人類がその献身を受け止められるかどうかも疑問だった。

いまだにウルトラマン依存から抜け出しているかどうかも怪しい。禍威獣特設対策室の面々は脱却できていても、政府レベルではグダグダで、頼るべきものがあれば縋りつく形は変わっていないのではないか

まり、形だけはハッピーエンドに見せかけて、実は直近の破滅回避しただけの、バッドエンドへの舗装が引かれているように見えた。

  • 面白いんじゃん 推敲しろよバカ

  • 人間が危険な兵器になる可能性がでてきた時点で、 じゃあまとめて処分しちゃいましょうかってゼットン起動したのが、一般のウルトラ星人の基本的な行動原理でしょ。 人間を含む未開...

    • ゼットンって確かウルトラマンが負けて最終的に人間が倒したんだっけ?

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