2022-01-21

童話『三匹のサクブー』

むかしむかしある所に、三匹のサクブーがいました。

長男豚「(アニメを)見ざる!」

次男豚「(ブルーレイを)買わざる!」

三男豚「(作画を)語らざる!」

ある日三匹は、荒れ果てた「作画を語るスレ」を捨てて、独立することを決心しました。

長男の豚は、Twitterのサクブーと楽しく暮らしたいと思いました。

次男の豚は、海外のサクブーとSAKUGAフレンドになろうと思いました。

三男の豚は、エロ絵を練習して同人年収1000万円になろうと思いました。

長男の豚は、最初はおとなしくTwitter暮らしていましたが、徐々に攻撃的なツイートを連投するようになったので、周りと揉め始めました。それで、自分の優秀さを愚民どもに見せつけてやろうと思って「このカットは明らかに○○さんの作画。このシワとエフェクトが特徴的」とか解説するのですが、Twitterにいるアニメーター御本人に「あー、そのカット描いたの俺じゃないです(^_^;)」とかツッコまれしまう始末。そんな失態と暴言を繰り返すうちに、いつしかフォロワーの9割にミュートされてしまいました。その後、作画は語りたいけどツッコまれるのは恐いので、ポエム的なふわっとしたツイートサザエさんの実況だけするアカウントになりました。

次男の豚は、さっそく英語中国語教科書を買ってきましたが、あっという間に挫折しました。彼の部屋には、英語教科書中国語教科書と液タブとデッサン人形とたくさんの絵の教本と原画集ポーズ集とアニメーター同人誌がありましたが、なにひとつ役に立っていないので、ひどい無力感に襲われました。また、海外のサクブーは母国語日本語が堪能で、作画も語れて絵もそれなりにうまいという高学歴エリート集団でした。それで、次男嫉妬に狂って外国を憎みはじめ、最終的には「海外の反応まとめ」を見て「日本凄い」だけ言う生き物になってしまいました。

三男の豚は、一念発起して「なぞるだけで絵がうまくなる」というドリルを買ってみました。しかしすぐに、なぞるのだって簡単じゃないと気づいてしまいました。それでもう絵の練習は止めて「作画を語るスレ」に帰ろうかとも思いましたが、「女の子匂い好きすぎてつれえ;;」「エイトフォー買ってきな;;」みたいなアニメ無関係書き込みばかりで居場所がありません。しかたなく、コツコツと絵を描き続けました。そうこうするうちに金田伊功が好きだった昔の気持ちを思い出し、数年後にはプロアニメーターになりました。そして「あー、そのカット描いたの俺じゃないです(^_^;)」と長男豚のまちがいツイートリプライするまでに成長したのでした。

めでたしめでたし

(終わり)

  • まぁアニメーターとして大成した訳じゃないってところがこのお話のキモなんですねえ

  • だれとはいわないが兄弟絵師さんいくつか思い当たるし 兄弟のいる末っ子絵師さんならもっといるとおもうのでくだらない攻撃をやめてほしい ただでさえ家族の無理解と理解はあるかも...

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