今、デジタル化を進める日本はスマホでの確定申告を強く推し進めている。
コロナで税務署に来る人数を減らしたいというのがその主たる目的ではあるものの、
おそらくそれは建前であり、本音は確定申告に必要な人員や事務量の削減といったコストカットが目的だろう。
しかしこのスマホ申告はいくらなんでも無茶だろうという事が多く、その問題点について3つ語りたい。
年配層を中心としたスマホの扱いが苦手な層はそもそも、確定申告のサイトにたどり着けない。
はてなを利用している人はスマホの扱いに慣れた方が多いと思うので想像しにくいかもしれないが、
スマホが苦手な人はブラウザでの検索やQRコードの読み取りもできないという人が多い。
すると、そもそもサイトにたどり着くだけで10分はかかりこの時点で諦めてしまう方が大半である。
(2)鬼の画面遷移
確定申告をした事がある人なら分かると思うが、確定申告は非常に複雑だ。
給与をはじめとした10種類の所得、聞いたことがない言葉が並ぶ所得控除と税額控除、
「該当するところだけを入力すれば良い」と言われても、
自分が該当するのかしないのかすら分からない項目が多く難しい。
そしてそれを全てスマホの小さな画面でこなすということは、画面遷移の量が半端ないということになる。
人によってその量は変わるが、一番少ない人でも10ページは余裕で遷移し、そのページそれぞれに難しく素人ではよく分からない内容や言葉が並び心が折れる。
(3)紙で出力が不便
スマホで確定申告した場合、その申告した内容はPDFでスマホに保存されることになる。
紙で出力したい場合は自宅のプリンターやコンビニでのプリントサービスを利用する必要がある。
ここで考えて欲しいのは、上の(1)で説明したような人たちがそのような操作をできるかどうかである。
当然できない。まずできる人はいない。
そしてそういう人たちこそ紙で確定申告の内容を手元に置いておきたい人たちである。
国がスマホでの確定申告を勧めたい気持ちは分かるし、否定をするつもりはない。
ただ、現状はあまりにもユーザー目線に立ててなく押し付け感が強い。
本当に推し進めるのであれば、一般市民にテスターになってもらい
「こんなに簡単なの?」と言わせるような構造と配慮が必要だと思う。
国のお偉いさんにはよく考えて貰いたい。