2021-06-19

七里ヶ浜高校に通いたかった マジで

ミーハーというか、俗な欲だとはわかってんだけど、俺は七里ヶ浜高校に通いたかったんだ

校舎から海が見えるようなところに通って、でもその景色の美しさをちゃんアプリシエイトすることはせず、「こんな景色のどこがいいんだか!」みたいなナメた口をききながら灰色青春を送ってさ

でもその後の人生高校時代を思い出すとき、そこには必ず青い海があるんですよ 懐かしいものとして、海と青春が結びついている

そういう人間になりたかったんだ

実際に俺の行ってた高校のヘボさといったらないですよ

ビジュアル的な思い出、マジでなんもねー 台風の日に、教室から見えるところに植えられたヤシの木がすっげえしなってて、アレ折れるんじゃねえか?と思って注視していた その程度の思い出しか出てこないんだ

からは遠く離れていたが、かといって山奥にあったわけでもなく、じゃあ都市部で便利かというとそんなことは全然ない 地方都市とすら呼べない規模の、「街」と「町」の間みたいな、なんとも言えない、イメージカラーとしては灰色みたいな、地味〜なところにあったんだ 俺の高校

灰色場所灰色高校生活、ということになってくると、本当に全部灰色で、ダメなんすよ

というか、"灰色"って表現はカッコ良すぎるな

そんなにいい色じゃないんだ本当は 茶色 厚揚げみたいな茶色ですよ

厚揚げみたいな色なんだ 俺の青春はよ 目に楽しい要素が一切ねえの だから、具体的に思い出すことが何もねえ

ネットでちょいちょい盛り上がってる、いわゆる「感傷マゾ」 あんなのも全然響かねー

足掛かりになるものが何もなく、ほんの少しの共感すらできないってワケです 入道雲すらパッとしない、本当につまらない街だった 町というべきか?

そういえば、くるりの『街』って歌を高校生のとき初めて聴いて、"この街は僕のもの"っていう感情入りまくった歌い出しに感銘を受けたことがあったな

その次の日の朝、登校するときに、駅の歩道橋から"街"を見渡してみたんだけど、見えたものはといえば、どこからどこが街なのかわかんねえ感じの、ただ道路沿いに民家がへばりついてるだけで、まとまりもなにもない、惨めな場所だけだった

街、ないやんけ〜ッ!と思いながら歩道橋を降りた思い出がありますね これはもしかすると比較的思い出らしい思い出かもしれない

とにかく、とにかく俺は七里ヶ浜高校に通いたかった

七里ヶ浜高校存在を知ったのが遅かったし、そもそも神奈川とは死ぬほど離れてて、どう考えても下宿なんかをしてまで七里ヶ浜まで行く理由はなかった

俺が七里ヶ浜高校に通えないことはなかば宿命だった 

でも悔しい!悔しくないですか?

なぜ俺は、高校時代の思い出の景色として「踏切の向こうの海」とか「窓から見える水平線」、あるいは「冬のしけた海」みたいなのを持ってられないんだ

思い出の持ち駒がマジでなにもない 帰り道、通学路にあったGEOに入っては、「○○さん(好きだった人)が入ってきて、一緒にCD選ぶみたいな展開にならねえかな!」と思ってた というような、カスの思い出はある でも違うんだ

もうちょっとこう、ローカルで、固有な感じのある、原風景的なものが欲しいんだよなあ

何もねえ 何もねえよ

あいいのかそれで いいのかもしれないが

  • 特にナニもない町に住んでたならたまたまニュータウンとか聞けばいいんじゃない

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