売れない漫画家をしていた、かもしれない。
出張編集部に漫画を持っていって、そこの編集者が名刺をくれたことをきっかけにデビュー。
どうせ名刺なんか色んな人にばら撒いてるんだろうなと思っていたからお土産みたいに持ち帰ったけど、出張編集部で編集部に渡す簡易の履歴書みたいなのに連絡先を書いていたので、わざわざ担当から連絡してくれた。
連載を持って締切に追われるというのは漫画家らしくてつらいながらも楽しかった。
担当が私の漫画を読んで爆笑して、自分の漫画が本に載っていて、作家仲間とたまにリプライのやり取りをする。
夢を見られたのは初めてのコミックスを出した3日目くらいまでだった。
2巻目はその半分以下。なぜなら1巻目が驚くくらい売れなかったから。
人気ジャンルの壁サークルのほうが部数出てるかもしれないし、出版社にとってはこんな数だけ刷っても利益にならないと思う。
もちろん2巻目で打ち切り。
1巻目が出た後大して売れていないのはツイッターでの反響を見ればわかる。
誰も話題にしていない。「つまらなかった」という批判さえもない。
それなのに担当が以前と変わらず「天才ですね!」と持ち上げてくれるのがつらかった。
「次の作品もやりましょう!」「たくさん売って見せますよ」と言われ一応次の作品も出したけど、それも売れていない。
2作目にいたっては、1作目の売り上げを見ていないんじゃないかと思うくらい1巻目の部数を上げてくれていたのに、全然だめだった。
2巻目の部数は当たり前に低かった。
ツイッターでバズることがそこそこあり、下に宣伝ツイートで漫画のことを書いても売れない。
半年にいっぺん入ってくる、子どものお小遣いにもならないような電子の印税とバイト代でギリギリの生活をしている。
結婚もしていない。
ツイッターで流行ってるものはたいてい面白くなく、面白いものが埋もれてるので少ない読者を大切に。 ツイではなく編集経由で励ましのお便りほしいって言ってみたら。