2021-01-27

私の歪な矛盾

中学一年の時に、初めて彼女ができた。

ところがすぐに友達にバレた。

カマをかけられて、まんまと引っかかったのだ。

バレた時は、まあいいか、と思っていた。

ところが数日後、嫌がらせをされた。

多分、なんとなく遊びの一環で。

ニコニコと、悪意もなく、ただただ無邪気に。

別に殴られたとか、根も葉もない誹謗中傷を、受けたわけではない。

私の恋愛事情をただ面白おかしゴシップネタとして笑って広めただけ。

ただ私の携帯勝手に開いて目の前で彼女とのメールを読み上げて広めただけ。

傷ついた。辛かった。

当時の私はよく、恋愛というものを知らなくて、なぜこんなにもこいつらは食いつくのか、ということが分からなかった。

恋愛中の行動、言動は、一番深い、一番デリケートで、一番衆目に晒され笑い声で踏み潰されてはダメな、その人の大切な核が、剥き出しの状態なんだと。少なくとも私にとってはそうだった。

でも、それに気づいた時にはもう、後の祭りだった。

幾重にも、畳みかけるように、私が彼女へ呟いた言葉が彼らの口から出る。

いつ私がお前たちにこんなことを許した。

なぜ当たり前のように私の心を踏み躙る。

限界だった。ずっとこんなこと言われ続けるのなら……

そして、私は彼女と別れた。

図々しくも、そいつらはなんで別れたの?なんて聞いてきて、私のせいだ。と答えた。

無知だった私のせいだ。無知は罪なのだろう。だから彼らもこんなことをしたのだろう。

と、こんなことを考える時点でもうかなりキテいるものがある。

結果、訪れたのは人間不信矛盾した愛情欲求だった。

人に本音を話すのが怖い。だから一番親密な人にも何も言えなかった。

私が全然距離を詰めないから、気づいたらその人は他の誰かと私以上に親密になっていて。

彼は私のことをほとんど知らないだろうし、私が自分のことを何も言わないから、彼も私に自分のことを言わなかった。

そうやって、現在4年が過ぎた。

一定距離の先にしか、人はいない。私が詰めなかったし、相手も詰めなかった。

しかしたら、相手は詰めていてくれたのかもしれないが、私は無意識拒否していたのかもしれない。

そうやって一人で崩れ落ちてた。

相反する感情があったのだ。

人が怖くて、距離を詰めてほしくない自分

独りが寂しくて、辛くて、誰かが隣にいて欲しい自分

中一の時の、あの凄惨記憶の中では、私は独りぼっちだった。

そんな歪な出来事が作り出した、歪な心。

自分は何も自分のことを教えたくないのに、無条件で寄り添ってくれる様な、そんな人を私は求めているのだろうか。

そんなものフィクションだと知っている。

影で何を言われているか不安になることは多々あれども、影で何も言われていない、という確証を得ることなぞできやしない。

安心して本音を語れる人が欲しい。

でも、今でも未だにその事件真正から向き合うことが怖くて、一人称を「私」に変えてやっと精一杯な私には、

もう一生この歪さを抱えて生きるしかないのだと、どうしても思ってしまう。

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