関ジャム 完全燃SHOWという番組でスピッツ特集をやってて、その中の1コーナーで『歌詞をよくよく読むと不穏なストーリーが浮かんでくる』みたいな話をしてたので、以前に自分が考えてみた『猫になりたい』という楽曲(一般的にはあんまり知られてない?けどファンの間では絶大な人気を誇る曲)の歌詞解釈を書いてみる。
番組中でも言ってたけど、もちろん作詞した本人以外には正解は分からないので、あくまで「こう捉えられないこともないか?」くらいで見てもらえると助かる。
灯りを消したまま話を続けたら
『星がひとつ消えた』はそのまま死の暗示。また『灯りを消したまま』という表現から、この会話が発生したのは灯りを消した後。星が出ていることから時間帯は夜、この場合灯りを消すシーンとして想定されるのは就寝時。就寝時のような遅い時間に灯りをつけずに発生する会話というと、例えば緊急の電話などが考えられる。
これらを総合すると、『夜、寝る前に君(恐らくは恋人?)の死を知らせる電話がかかってきた』という意味にとれる。
からまわりしながら通りを駆け抜けて
砕けるその時は君の名前だけ呼ぶよ
1行目は無我夢中で病院?に向かう様子。2行目で『砕ける』のは、「何かの間違いであって欲しい」という微かな希望か。
暖かい幻を見てた
『君』の死を認識した後の主人公の描写。すべての気力を失い、現実逃避している様子が伺える。わざわざ『霊園』というワードを出したのは、やはり死の暗示か。もしくは、『君』のお墓の近くに引っ越した??
目を閉じて浮かべた密やかな逃げ場所は
砂ぼこりにまみれて歩く 街は季節を嫌ってる
つくられた安らぎを捨てて
1、2行目は天国を思い浮かべている様子?後追い自殺を考えてるのだろうか。3、4行目はよく分からない 後追いを決心した様子とも、「現実逃避してても仕方ない」と改心した様子ともとれる。
猫になりたい 君の腕の中
寂しい夜が終わるまでここにいたいよ
猫になりたい 言葉ははかない
消えないようにキズつけてあげるよ
このサビについて、そのまま捉えると『冷たくなった君の腕の中で気の済むまで丸くなっていたい』という主人公の逃避願望と捉えられるが、その場合『キズつけてあげる』の意味がイマイチよく分からない。また、『ここ』というのは君の亡骸が安置されている場所になるが、Bメロでは既に自宅であろうアパートへ戻っておりその点でもズレがある。(幻の『君』かもしれないけど)
ここで個人的に提唱したいのが、『A,Bメロとサビで歌詞の一人称が変化している』つまりサビの歌詞は主人公の言葉でなく、既に死んでしまった『君』…恋人の幽霊の言葉ではないかという説。
この場合、
猫になりたい 君の腕の中
寂しい夜が終わるまでここにいたいよ
この歌詞の意味は、すっかり塞ぎ込んでしまった恋人を、自分の姿ではもう会えないから、せめて猫に化けて(あるいは乗り移って)寄り添い寂しさを紛らわせてあげたい、という願望と捉えられる。
猫になりたい 言葉ははかない
消えないようにキズつけてあげるよ
この部分についても、もう言葉は届かないけど、言葉なんて不確かなものよりももっと確かな何かを残したい、という精一杯の強がりの気持ちを
・猫となって引っ掻き傷を残したい