2019-10-14

スピッツ『猫になりたい』の歌詞解釈

関ジャム 完全燃SHOWという番組スピッツ特集をやってて、その中の1コーナーで『歌詞をよくよく読むと不穏なストーリーが浮かんでくる』みたいな話をしてたので、以前に自分が考えてみた『猫になりたい』という楽曲一般的にはあんまり知られてない?けどファンの間では絶大な人気を誇る曲)の歌詞解釈を書いてみる。

番組中でも言ってたけど、もちろん作詞した本人以外には正解は分からないので、あくまで「こう捉えられないこともないか?」くらいで見てもらえると助かる。

灯りを消したまま話を続けたら

ガラスの向こう側で星がひとつ消えた

『星がひとつ消えた』はそのまま死の暗示。また『灯りを消したまま』という表現から、この会話が発生したのは灯りを消した後。星が出ていることから時間帯は夜、この場合灯りを消すシーンとして想定されるのは就寝時。就寝時のような遅い時間に灯りをつけずに発生する会話というと、例えば緊急の電話などが考えられる。

これらを総合すると、『夜、寝る前に君(恐らくは恋人?)の死を知らせる電話がかかってきた』という意味にとれる。

からまわりしながら通りを駆け抜けて

砕けるその時は君の名前だけ呼ぶよ

1行目は無我夢中病院?に向かう様子。2行目で『砕ける』のは、「何かの間違いであって欲しい」という微かな希望か。

広すぎる霊園のそばの このアパートは薄ぐもり

暖かい幻を見てた

『君』の死を認識した後の主人公描写。すべての気力を失い、現実逃避している様子が伺える。わざわざ『霊園』というワードを出したのは、やはり死の暗示か。もしくは、『君』のお墓の近くに引っ越した??

※サビは歌詞全部一緒なので後ほどまとめて解説

目を閉じて浮かべた密やかな逃げ場所

シチリアの浜辺の絵ハガキとよく似てた

砂ぼこりにまみれて歩く 街は季節を嫌ってる

つくられた安らぎを捨てて

1、2行目は天国を思い浮かべている様子?後追い自殺を考えてるのだろうか。3、4行目はよく分からない 後追いを決心した様子とも、「現実逃避してても仕方ない」と改心した様子ともとれる。

最後にサビの歌詞

猫になりたい 君の腕の中

寂しい夜が終わるまでここにいたいよ

猫になりたい 言葉ははかない

消えないようにキズつけてあげるよ

このサビについて、そのまま捉えると『冷たくなった君の腕の中で気の済むまで丸くなっていたい』という主人公の逃避願望と捉えられるが、その場合『キズつけてあげる』の意味イマイチよく分からない。また、『ここ』というのは君の亡骸が安置されている場所になるが、Bメロでは既に自宅であろうアパートへ戻っておりその点でもズレがある。(幻の『君』かもしれないけど)

ここで個人的提唱したいのが、『A,Bメロとサビで歌詞一人称が変化している』つまりサビの歌詞主人公言葉でなく、既に死んでしまった『君』…恋人幽霊言葉ではないかという説。

この場合

猫になりたい 君の腕の中

寂しい夜が終わるまでここにいたいよ

この歌詞意味は、すっかり塞ぎ込んでしまった恋人を、自分の姿ではもう会えないから、せめて猫に化けて(あるいは乗り移って)寄り添い寂しさを紛らわせてあげたい、という願望と捉えられる。

猫になりたい 言葉ははかない

消えないようにキズつけてあげるよ

この部分についても、もう言葉は届かないけど、言葉なんて不確かなものよりももっと確かな何かを残したい、という精一杯の強がり気持ち

・猫となって引っ掻き傷を残したい

恋人の死という消えないトラウマを残したい

というダブルミーニング表現しているように思える。

以上、異論は認めます

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