2019-05-30

アラビックヤマト

https://digital.asahi.com/articles/ASM5X6HTMM5XULBJ01H.html

このニュース話題になっているけど、「アラビックヤマト」のインパクトの大きさからフェイク」じゃねーかと思う人も多いと思う。

そうじゃないんだよという理由は下のリンクのものがだいたい説明している。ちゃん取材しているということなんだよね。どうでもいいことで、需要いかもだけど、報道関係者として補足説明しておくわ。

http://blog.mobilehackerz.jp/2019/05/blog-post.html

東大などの国公立大や有名私学レベルなんかみんなやっていることなんだけど、プレスリリースを作る際に「縛り」をつけることが多い。

この「縛り」、業界用語なんだけど、情報の解禁日時を指す。このサイト http://news.ceek.jp/search.cgi?q=%C2%A4%B7%EC&way= なんかで検索すると、30日の午前2時の日経記事ネット上だと一番早く、その後各報道機関が報じている。

全くこの報道には関わっていないので、完全な推測だが、おそらく「30日朝刊から解禁」という条件で、事前にプレスリリース報道機関提供している。

なんで事前に提供するのかというと、大きく正確に書いてほしいからだ。例えば解禁日当日にいきなり発表だと、取材する側もなるべく努力はするが、十分な取材もできず、あいまい理解のままで原稿を書くことがある(テレビ新聞も1日に締め切りが何回もあるので本当に大変)。

そこで発表する側はいい加減なことを書いてもらわれては困るので、解禁日のルールを受け入れてくれる代わりに事前にじっくり取材していいよってことをする。

特に大学研究なんていう一見素人にわからないものなんかはその傾向が大きい。後は企業官公庁の発表でもよくある。

最も簡単にできるものではなくて、報道機関側(だいたい記者クラブ)との相談で決まっているけどね。

で、横一線でよーいドンってなった時、力が出るのは、理解力の深さと「面白がり」なんだよね。

面白がり」ってのは、また業界用語概念的な話なんだけど、平べったく言えば「視聴者や読者が『へぇー』や『面白いな』『興味がわいた』と思えるように視点を持って取材したり、原稿を書いたりすること」かな。

今回のケースで言えば、そもそも研究自体もすごいことで「へぇー」って思えることなんだけど、おそらく一番面白いのはアラビックヤマトも使えたということじゃないかな。

報道を見る限り、それに一番早く着目したのは朝日記事。おそらく記者研究者に取材して説明を受けている最中に「PVAって何ですか」「あー、市販ノリで使われているものですか」「ところでなんですが、もしかして市販ノリでも試しました?」って感じで取材した結果だと思う。

これに関していえば朝日記者の「面白がり」の能力が良かったということなのかもしれない。

  • コアセルベートはアラビアゴムと豚のゼラチンで作ったん思い出した。

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