2016-07-13

スターウォーズスタートレックメートル法採用されている理由にまつわる都市伝説

スターウォーズスタートレックメートル法が使われているのは「ヤード・ポンド法採用するアメリカ人にとっては耳慣れないメートル法SFっぽく感じるからだ」とするエピソードが広まっている。

これは、いまだにメートル法採用しようとしないアメリカ人のズレた感覚への揶揄として、しばしば働いているようだ。

http://scifi.stackexchange.com/questions/75795/why-does-star-trek-use-celsius-si-system-not-fahrenheit-the-imperial-system

しかし、たとえば上記フォーラムを見てみると、そこで挙げられている考察の多くは、「未来社会ではメートル法一般に用いられているであろう」という純粋予測である

国家統合され宇宙にまで進出した人類が、アメリカしか残っていないヤード・ポンド法を使っているほうがおかしい、という論理的な考証である

Wikipediaの「合衆国メートル法化」の項目にも以下のような記述がある。

https://en.wikipedia.org/wiki/Metrication_in_the_United_States

Cultural impact

The continuing use of U.S. customary units has caused writers to speculate in fiction set in the future about the adoption of the metric system. Many authors have assumed that the United States and the human race in general will use metric units; however, others have assumed the continued use of U.S. customary units or have neglected to take metrication into account. Writers sometimes use customary units simply because American readers and watchers will understand the measurements; other times, they are simply used by accident. The 1966 show Star Trek, for instance, initially used U.S. customary units despite multiple Earth national origins and a setting in the 23rd century. Later, starting with "The Changeling", metric measures were used, albeit inconsistently. Later sequels of the show, such as Star Trek: The Next Generation, and Star Trek: Enterprise (set in the 22nd century), used the metric system exclusively.

文化的影響

アメリカ合衆国の慣用単位継続的使用は、未来舞台にしたフィクション作品において、メートル法採用についての考察作家たちに促してきました。多くの作家は、アメリカ合衆国および人類全体がメートル法使用するだろうと予想していますが、他の作家アメリカの慣用単位継続使用を想定したり、メートル法への移行を考慮に入れなかったりしています作家たちは、アメリカの読者や視聴者が測定単位理解できるように慣用単位を使うことがありますが、時には単に意図せずに使っていることもあります。たとえば、1966年テレビ番組スター・トレック』は、23世紀を舞台にし、地球上のさまざまな国籍の人々が登場するにもかかわらず、当初はアメリカの慣用単位使用していました。しかし、後に「変わり者」("The Changeling")というエピソードからメートル法使用されるようになりましたが、一貫性には欠けていました。その後の続編である新スタートレック』("Star Trek: The Next Generation")や『スタートレック: エンタープライズ』("Star Trek: Enterprise"、22世紀舞台とした作品)では、メートル法が完全に採用されています

アメリカ人メートル法に「SFっぽさ」を感じているとしても、それは「人類共通言語を話している」などの設定と似たような「SFっぽさ」であって、「耳慣れない」という理由ではおそらくないだろう。

「耳慣れないかSFっぽい」というエピソードは、面白おかしく誇張された与太話とみなすべきである

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