車を運転する、1ポイント。
飲んで海で泳ぐ、2ポイント。
徹夜明けに自転車に乗ってても、実際に車に轢かれるヤツは滅多にいない。
でも、十分睡眠をとってる奴よりは死にやすい。そういう積み上げだ。
人によるだろうが、こうやってできるだけポイントを減らしてから山に登る。
減らさなくても登りきれることもある。
それは単に80%は死ぬ筈だったけど、残りの20%枠に入っただけだったりする。
そして、雪山に行く時には、どんなに準備してもポイントはゼロにならない。
そして、残業時間の件で、過労死ラインの80時間を軽視する意見を目にすることがある。
残業時間自慢を「奴隷の鎖自慢」と呼ぶのも、個人的には似た思いで見ている。
裁判所が、脳や心臓疾患の原因にして良いと言っているのが、過労死ラインだ。
業務のせいで発症したと強く疑われる(事実上認定している)のが、このラインだ。
雪山を知るものからすれば、自殺に来ているようにしか見えない。
もちろん、死なない可能性もある。
50%が死ぬような状況でも、2人に1人は何事も無く帰っていく。
雪山にスニーカーで来るバカが増えれば、山岳保険は当然値上がりするだろう。
真面目に準備をして、山に登る人からすれば、理不尽なことだと思う。
過労死ラインを超える残業をするなら、生命保険に入らないで欲しい。
自分の生命保険料が、そういったバカに使われるのは、理不尽だ。
きっと、こういう意見を書けば、それは経営者の問題だと言う反論があるだろう。
ロシアン・ルーレットを想像して欲しい。
銃弾が一つだけ入っている拳銃を自分の頭にむけて引くゲームだ。
このロシアン・ルーレットの弾は、滅多に出てこない。
でも弾は間違いなく入っている。
想像して欲しい。
毎朝、自分の頭に向けて拳銃の引き金を引いてから出社する姿を。生活の為に。
喜々として引き金を引く者も居るだろう。大金を得る為に。成したいことを成す為に。
でも、それが、現状を維持する為に引き金を引き続けるというのだったとしたら、
死ぬんだが、死なないように準備をして、頑張って死ぬ確率を下げて、それで登って、なんとか帰ってくる。
その横で、準備をせずに登って、あたりまえのように死ぬ人達もいる。
過労死ラインを超えている人は、今すぐ生命保険を解約するか、行いを改めて欲しい。
それはもしかしたら強制されているのかもしれないけれど、ロシアン・ルーレットの弾に当たれば死ぬんだ。