2015-07-21

ギリシャ財政悪化はやっぱりギリシャ(だけ)の責任ではない

ギリシャ人は怠け者で働かないから財政破綻したとか、年金が手厚すぎて破綻したという(不正確な)俗説には

最近反論が出るようになった。たとえば

http://lacucaracha.hatenablog.com/entry/2015/07/17/000000

などもそうであろう。

では、怠け者だとか年金問題でなかったのだとしたらどうしてギリシャ財政はここまで悪化したのだろうか。

この原因は、ITバブル崩壊に求められる。ドイツなど米国への輸出が多かった国はITバブル崩壊の影響を

大きく受けた。そのためユーロ中央銀行であるECB政策金利を下げていくことになったが、このとき

米国への輸出に頼っていたわけではないスペインギリシャの景気はさほど悪くなっていなかった。しかし、

ユーロ圏政策金利ドイツギリシャも一律なので、ギリシャ金利も下がっていくことになる。

このことは、ギリシャ国民預金をしていて得られる金利収入が減ることを意味する。そして重要なのは

ギリシャは景気が悪くなかったので、企業活動活性化してさら生産所得が増えるという効果が無いなかで

このような事態になったということである。すると、ギリシャ国民としてはそれまでと同じペースでの消費

を続けた場合金利収入が減る分だけ生涯を通じた消費から効用満足度が減ってしまうことになる。

そのため、仕方なしに、魅力の下がった預金をやめて現在お金を使うことにした。具体的にはドイツなど

からの輸入を増やした。これすなわち経常赤字の増加であり、ギリシャの対外借金の増加である

(なお、これは米国への輸出が減っていたドイツにとって渡りに船になっている。)

このとき借金が、リーマンショックによる疑心暗鬼の拡大で一気に市場の注目の的になってしまったのが

欧州債務危機であり、一度注目の的になってしまうとそれによる金利上昇で経済活動の縮小と債務雪だるま式拡大

が起きてしまう。一度こうなると、市場不安を鎮めない限りどうしようもないが、ギリシャ中央銀行ではなく

ユーロ中央銀行であるECBには限界があること、ユーロ政治家はしょせんはそれぞれの国の代表者であり

積極的財政的に助けることはできないこと、という制約によって不安を鎮めることはできなかった。

そして今に至るのである

まりITバブルの余波で景気が悪化したユーロ主要国を助けるためにECB政策金利を引き下げたことが、

当時は景気が悪くなかったギリシャ国民に消費・輸入を拡大するよう追い込んだのであり、そのとき

経常赤字こそが対外借金なのであるドイツはそのとき政策金利引き下げの恩恵を大きく受けて息を吹き返した。

ギリシャはもし政策金利が下がっていなかった場合よりも生涯を通じた満足度が下がることを受け入れさせられ、

せめてもの自衛としてその時点現在での消費を増やしたが、その裏側である経常赤字・対外借金で今また責められている。

この構図こそが、現在起きているユーロ問題なのだ

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