https://ta-nishi.hatenablog.com/entry/2021/05/05/155031
読んだ。
非モテからの脱却に成功した私だったが、私の中には違和感が残った。「脱オタ」を達成するために私は興味も無いファッションや流行の遊びを勉強して大金をつぎ込み、夜の盛り場に繰り出しては女性に声をかけ、明るく陽気に振舞い女性たちを楽しませた。いかにも自分が「リア充」であり魅力的な男性であるかのように本来の「非モテ」な自分を偽り、女性たちを「騙した」のだ。
私にとっての「脱オタ」は、喩えるなら就活のようなものだった。就活では誰も「ありのままの自分」で勝負などしようとはしない。経歴を盛れるだけ盛り、時には詐称までし、自分がいかに企業にとって魅力的な「商品」なのか「偽りの自分」を作り出してアピールする。潔癖な人間ほどこの行為を「悪」と感じるだろう。くだらない茶番であり、騙し合いだと感じるだろう。しかしこの「悪」に染まらなくては、就活という戦争を勝ち抜くことはできないのだ。
正直ここに関しては、筆者と同じオタク男性の私としてやや違和感を覚える。
無趣味の一般人男性であれば、上記のような「偽りの自分」を演じて女性の興味を惹く必要があるが、オタク男性であれば、一般人男性が持ってない「自分がオタク趣味として専攻する分野の知識・スキル」を女性の興味を惹くことに充分活用できるからだ。
そのおかげで、オタク男性は一般人男性と比べれば「偽りの自分」を作る割合はかなりの程度軽減される。いわゆる「オタク婚」と言われるようなものも、それを充分活かした結果得られる果実と言えるだろう。
私の場合、現在の彼女は、twitterでの相互フォローを通した同人イベントでの出会いをきっかけとして交際がスタートしたので、「オタク婚」の範疇に当たるだろう。(結婚にはまだ至っていないので厳密にはオタク「婚」ではないが)
私は現在の彼女と交際関係に至る道程で、「偽りの自分」を作り演じたようなことはほぼしていない。素の自分、ありのままの自分で女性と接して彼女を作れたことになる。
私と彼女は、「同じ作品を愛する同志」「同じキャラを推す同志」「推しキャラの理想の姿を描き同人誌として発表する同志」という強い紐帯で結ばれており、異性としての関係以前に「同じオタクとしての戦友」という意識が強かったことが、性差を乗り越えた信頼関係構築に一気に至り、後にそれが互いを良い異性として捉える契機へと繋がったのだと思う。
私と彼女の繋がりに「イケてるファッション」や「流行の夜の遊び」というような「偽りの自分」的要素は一切含まれない。我々の間にあるのは、「推しのために共に戦えるオタク」という強い信頼感だけだ。そこに自分を偽る余地はなく、むしろ素の自分をさらけ出した方がより推しキャラについて熱く語れる・描けるという意味で、オタク活動を通して彼女を作るのならば自分を偽るのは不利にすらなると言える。
自らが弱者男性であるという自覚のあるオタク男性は、自分に不向きの脱オタ活動を経て無理に一般女性の彼女を作るのではなく、自分が現在取り組んでいるオタク趣味を通して出会える女性を彼女として迎えることができるよう活動してみてはどうだろうか。
彼女や結婚相手がみつかるかということは気にしなくていいので その以前に差別意識や偏見をなくしてください