タイトルのままだ。
推しのVTuberが卒業し、今は中の人の反転アンチになっている。
配信にいつもコメントをし、スパチャをし、終了後はコメント欄にタイムスタンプを付け、切り抜きを作り、グッズを買い、オタク仲間と創作活動もし、イベントも見に行っていた。
「やりたいことがあるから辞める」と聞いた時には、何も手につかなくなった。
最後の方は毎日泣いて、寝られないまま仕事に行ってミスを連発していた。
世界に色と味がなくなった感じがした。
やがて、中の人が、中の人としての活動を再開することになった。
複雑な気持ちはあったけれど、応援していた。だって、辞めるのは推しの一大決心だったのだ。
かつてのように、配信を見たり、コメントをしたり、切り抜きを作ったり、イベントに行ったり。
それでも活動を追っていくうちに、嫌悪感がどんどん湧いてくるようになった。
え?こんなことをやるために辞めたの?
めちゃくちゃ迷走してない?
ガワ被ってた頃はそれがウケたかもしれないけど、今のあなたがやってもウケないよ?
書いていて、何様なんだと自分でも思う。
確かにVだった頃ほど数字は伸びていないけれど、それでも本人が選んだことだし、その人の人生だ。
他人がとやかく言うようなことではない。
それでも、恨むような気持ちがずっと消えない。消えないどころか、日に日にどんどん大きくなっているのが怖い。
極端に厳しい目を向けて、ダメなところばかりをあげつらい、批判的なコメントを探しては同じ気持ちだとブックマークする。
「推しを自分勝手な都合で私たちから奪った人」になっているのだ。
この認識は、完全に間違っている。
自分の人生の貴重な時間を削って、実績も大っぴらに言えないような環境で、卒業後の活動場所も私たちのような厄介オタクのせいで限られる中で、それでも推しとして生きてくれた人なのに。
それでも、
配信予告の通知が来たときの高揚、配信開始までにと急いでご飯とお風呂を済ませて、待機所にコメントするときのあのドキドキ。
新衣装をオタク仲間と見て、「ここの飾りどうなってんだ……?」と描き合う楽しさ。
炎上で揉めているオタクたちを見て精神が削られることももちろんあった。というかしんどいことの方が多かったかもしれない。
それでも全部がかけがえがなくて、それらを失った人生に耐えられなくて、縋るように中の人の配信を見て、勝手に裏切られた気になり、攻撃しそうになる。
アンチとしてコメントをしたりはしていない。その一線を超えたら、推しのファンとして終わると思っているから。
それでも、アンチのコメントの気持ちが痛いほどよく分かってしまう。
何か別のものにハマらないとと思うのに、面影を探すのを辞められない。
苦しい。
な?「男」だろ?
本音と建前は違うでしょ 特にエンタメ業界は砂かけて出ていけないんだから