同人活動をしている女性、という意味なのだから、使っている言葉としては間違っていない。なのだが、これを自らを指して使っている人から覗く薄い排他意識、みたいなのものが苦手なのかもしれない。
最近話題になっている、女性向け同人を男性が描いていると、作品を読んでいる間に作者がチラついて集中できないという話。これを肯定する方々の話を聞いていると、自らが「同人女」であることに一定のプライドのようなものを感じる。
女性がうっすらと感じているらしい男性嫌い。それを持っている女性が、三次元には存在しないようなイケメンな男性同士の恋愛模様を描いている。これは同人女にしか生み出せないもの…と、いうような偏見に近い何か。
そういう、自分も周りも「同人女」であるという確信の中で活動をしているのに、そこで人気の作品を生み出している人物がまさか「同人女」ではない「男性」であったという事実に受けたショックを、別に理由付けしているように見えてしまった。
もちろんこれは私が勝手に感じたことであるので、本当に読んでいる最中に作者がちらついて嫌であるという人もいるのかもしれない。
ただそれは個人の問題であり、言うならばそれは読んでいる側が作品に没頭する力が足りないのではないか。
作品の中身に本当に没頭しているなら作者のことなど考えている暇はない。チラつくなら、もっと集中して読む力をつけたほうがいい。
そしてその力不足をまるで作者の非であるかのように、ましてや「被害」などと言うのも、ただただ恥ずかしいので控えるべきだ。
「こう思っている人が多い」「過去に男性作者が顔を出して売り上げが落ちたような事例もあった」という意見を発している人もいたが、「だからなんだ?」で終わることでしかないと思う。
漫画家が顔を出したら売り上げが落ちてしまったので今後顔出しはしない…というのは、仕事として絵を描いている以上対策としてすることもあるかもしれないが、同人は趣味でしかない。その趣味でしていることと漫画家の話を並べて語るべきではないし、そう思っている人が多いから男性作者が自らの姿を隠せと言われる筋合いはないはずだ。
女性向け同人誌を描く男性作者に対してどのような感情を抱こうと個人の自由であるが、それを表に出すべきではないし、本人に言うなどもっての外だ。多数意見だから正義ではないし、多数意見こそ尊重されるべきという考え方は捨てた方が良い。
同人活動において、苦手なものを避ける手段などいくらでもある。そしてそれは自分が動くことであり、相手を動かすことではない。
まあ同人誌=エロ本くらいの認知だよな世間的には