2023-07-10

ライダーズ・オブ・ジャスティス

アマプラ吹き替え版が配信されてて評価が高かったから見た。

いかにも現代的なアクション映画だった。

ここまで「現代的」を正面から扱ったアクション映画はなかったと思う。

 

1.舐めてた相手が実は殺人マシーンでした系の映画

 イコライザー、ジョンウィックミスターノーバディといった「お前実は殺人マシーンやったんか!」という

 近年流行りのスタイル踏襲

 殺人マシーン役に至宝マッツ・ミケルセンを起用している。

 

2.セラピー映画

 登場人物全員が心の傷を抱えていて物語を通じてそれが癒されていく。

 近年流行りのスタイル踏襲

 マッツの軍役がトラウマになっているだけでなく、家族を亡くした、虐待を受けてきた、コミュ障等々。

 軍人マッツ+弱者男性3人+移民若者+娘という組み合わせはかなり現代的。

 

3.陰謀論映画

 ここがたぶんこの映画の一番のウリ。

 この映画はマッツの妻が列車の爆発事件に巻き込まれて死んでしまうところから話が始まるのだが、

 その列車にはギャング告発者が乗っており同じく死亡していた。

 そして列車の発車寸前に降車した男と93%人相が一致する男がギャング関係者だった。

 この男が告発者を殺害するために列車を爆破したのだ。

 マッツと仲間たちによる血みどろの復讐劇が幕を開ける。

 として話が進むのだが、実はギャングは全くの無関係

 列車の爆発は単なる事故で、降車した男も別人だった。

 

 エエエエエエエエエエエエエエエエ!?である

 主人公人殺しまくって「実は勘違いでしたテヘペロ」なんてことありゅ?

 

この映画はいたるところに「偶然はある」というメッセージがちりばめられている。

そして同時に何かに苦しんでいるものは「偶然はない」ということにすがろうとする、という

陰謀論にハマる人たちに対する厳しくも優しい視線を感じる。

妻が死んだマッツに声をかけるシスターは「偶然なんです」と声をかけマッツは「偶然なんてない」と答える。

殺人兵器として最前線で戦ってきた元軍人のマッツは偶然なんてものを信じるのは弱い人間のやることだと考えているが、物語内でマッツは妻の死を受け入れられずに弱者男性ズの持ち込んだちょっと考えれば「大丈夫か?」というようなあれはギャングがやったんだ!という陰謀論をコロっと信じてしまう。

この映画ノルウェー映画なんだけど、なんていうか「アフタートランプ時代映画だなって滅茶苦茶感じた。

 

自分たちが苦しんでいるのは偶然ではないはずだ。どこかに悪者がいるはずなんだ。そうであってほしい。

という思いに「情報」がハマってしまったとき、人はたやすく騙されるし

騙された人はたやす本来では考えられないようなひどいことをしてしまう。

 

バカみたいに人を殺すアクション映画なんだけど、全て陰謀論にハマった人の暴走だったと考えれば

ただ笑って終わらせられない映画だなーと思った。高評価も納得。

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