2023-04-17

専門書の編集者として生きてきた懺悔

さて、世の中には専門的な内容が書かれた書籍雑誌が数多く存在するが、その制作者までもが専門家だと思われているようなきらいがある。

増田は非専門家かつ専門書の編集者です。

増田が作ってきた専門書は法律関係ですが、増田自身は今まで法律勉強したこともなく、編集者になった当初、最高裁では事実認定を争えないのような法曹関係の基本のキも知らないような存在でした。

そんな増田が生み出してきた専門書は数多あり、そんな増田の浅学で校正校閲された書籍が今もなお、弁護士裁判官などの手に届いています

まり、間接的ながらも人の人生を左右しかねない情報が非専門家の手によって、第三者専門家の目を通すことな出版されているのが現状です。

多分こんな話をすると、大抵の人は専門の校正校閲部署があったり、サービスがあったりするんじゃないの? なんて思うかもしれませんが、中小出版社でそんな大層なものを持てるはずもなく、専門的な校閲サービスともなれば初版全部が捌けてようやく黒字のような状態になりかねません。今もなお著者の先生に書いていただいた内容を非専門家編集者の目のみを経て、出版されています

印象的だったは新米編集者の頃、法学理論(人によって見解の分かれる法律適用方法などの論文の内容)がどうしても分からず先輩編集者に「これってどういう意味ですか?」って聞いた時、「自分たちが分からないのはしょうがいから著者を信じよう、でも理解する努力はして、それでも分からなければ通しましょう」と言われたことです。

この言葉は前向きに見えるかもしれませんが、内実としては、内容を理解せず進めるということです。こんなのでよく事故が起きてこなかったなぁと思いつつ、その後は私も先輩編集者の教え通りに過ごしてきてしまいました。

内容が不確かにもかかわらず、会社に声をあげず、ただ昔からそうだったからと、やり過ごし不安定情報を与え続けてきた増田仕事について、増田懺悔たかったのです。

近日で増田退職し全く違った道を歩み始めています。こんな懺悔現実でできるはずもなく、誰もが誰かになれるこんな所で、呟くのみです。

  • 数学や物理の本なんか間違いがあるの普通だからそんなもんだと思うぞ。読む方も間違いかもしれないということを念頭に置いて読むから。

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