合理的であることは道徳的要請である。知能指数(IQ)と合理性指数(RQ)は別物である。IQはエンジンの馬力で、RQはエネルギー効率だと考えて良い。幸いにも、合理的になるように自分自身を訓練することができるかもしれない。ここにいくつかのアイデアがある。
1. スコアをつける
Brierスコアはもともと、気象予報士の天気予報に対するフィードバックを得るために開発されたものである。気象モデリング技術の向上と、より鋭いフィードバックにより、今日の気象学者は、1、2世代前よりもはるかに正確になっている。このスコアリングを応用できるだろう。
2. 同じ状況に陥った他人を探す
あなたが投資家で、ある会社の経営陣と面接し、その株を買おうと考えているとする。経営陣には楽観主義バイアスがかかっているはずなので、彼らの言うことは大目に見なければならない。しかし、他社に対する彼らの見方は、正確である可能性が高い。つまり、自分のことを聞くのではなく、他の人のことを聞くのである。皆、自分のことをユニークだと思いたいものだが、他の人が同じ状況に置かれたときにどうなったかを尋ねることは役に立つ。
3. クリティカルパスよりも余裕を持つ
あるタスクがどのぐらいかかるのか、と問われた時、「2時間」を「4日」と訳す。
現実の世界では、確率は常に変化している。合理的な思考をするための重要な課題の1つは、新しい情報が入ってきたときに、確率を正確に更新することである。最も優れた予測家はこれを非常にうまく行い、非常に細かい確率の刻みを使っている。(ただし、多くの人は確証バイアスに陥り、新しい情報を適切に評価に取り入れるよりも、無視したり、割り引いたりすることを好む。つまり、目的に対して間違った信念を補強し続け、コミュニケーションを無視し続けたり、間違った人とコミュニケーションをする。)