2022-02-05

家のインターフォンを鳴らす謎集団

俺のマンションインターフォンは録画機能がついている

不在時に来客があると撮影されて、室内インターフォンボタンが点滅する

留守番電話みたいなやつだ

 

今日も昨日も一昨日も来客を示すランプが点滅していた

それが引っ越しから半年、ずっと起こっている

色んな人がうちの呼び鈴を鳴らしていた

老若男女

何か荷物を持っていたが宅配便という感じではない

普通の人が主に日中にやってくる

俺は帰宅後にそれを見るのだ

 

不気味だったが、ある日ようやく自分が在宅の時に「彼ら」が来た

たぶん平日だったと思う

動画ONにした瞬間に俺に対する来客じゃないのは風貌からわかったが

訝しげに「はい?」と言うと彼は「◯◯さんですか?」と言った

「違います」「あ、間違えました」

それだけだったが、彼らがどうやら俺に用事があったわけではないとわかった

どうやらA棟とB棟に同じ304号室があって

彼らはB棟に用事があるのだろう

そこまでわかるのに3ヶ月位かかった

 

それからも彼らは毎日のように来た

本当に普通の格好をしていて共通点がわからなかった

最初は何かの教室をやってるんじゃないかと思っていたが

どうしても何教室かわからなかった

一応このマンションはおしゃれで有名な駅チカだし家賃も1LDKで25万円程度みたにな帯域だし

法人個人事業主が居てもおかしくないと思ったからだ

 

彼らは何かよくわからない荷物をぶら下げていることが多かった

かばんではない、何か雑な袋みたいなもの

それがあって習い事に来るような風貌に見えなかったんだ

このハイソな街において彼らは普通すぎた

もし彼らが全員男だったらそういうお店かと思ったのだが残念ながら女性も来ていた

逆に全員女性だったら習い事の線が濃厚になるのだが残念ながらおっさんも多かった

 

何か仕事の絡みだろうかとも思った

もしそうだとしたらB棟304号室の奴は何度も仕事仲間に呼び鈴を間違えさせていることになるので非常に腹がたった

抗議に向かおうと思ったこともあるが結局しなかった

もし同じ人間が何度も間違えていたら抗議しただろうが

本当に毎回違う人だったんだ

 

そういえば彼らは決まってスマホを見ていた

何かを持ってスマホを見ている

てことは仕事仲間というより何かの客なのでは?と思った

例えば病院患者とか、なんちゃらセラピーマッサージかもしれない

ふと自分の住所のB棟304号室になにがあるかググったことがあるが何もなかった

営業だろうか

 

今日ボタンが点滅していた

どこか居心地悪そうなおっさん荷物を持ってスマホを見ていた

それは録画なので「あなたは間違えていますよ」と教えることができない

たこともないB棟304号室の住人とのその後の密談を夢想して変な気分にさせられる

そもそも正直インターフォン留守録を見るのは嫌なんだ

警察が家に来て家宅捜索していった記憶トラウマになっている

Amazonだとホッとする、ダンボールを持っていたら宅配便

「彼ら」は本当にやめてほしい、不気味すぎる

俺に対する来客10人に対して、この間違えている謎集団が30人くらい来ている

鬱陶しくてしかたがないし怖い

 

だったのだが

ふと、ようやく、今更、ついさっき彼らが何者か理解した

何で気づかなかったんだろう

気づいてしまえば簡単だった

でも謎集団が減らないことも理解した

いや、これはB棟304号室の住人にやはり知らせたほうが良いのかもしれない

 

 

追記

一人正解した

荷物はよく見たらレジ袋だった

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