■評論家の立花隆、「ゲーム脳で日本が滅ぶ」と予想するマヌケだった

ジャーナリスト、ノンフィクション作家として有名な立花隆。

「ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊」で、次のような予測を書いている。

日本はそのうちゲーム脳人間の蔓延で滅びるのではないか。(P.329)（2002年10月)

馬鹿である。

滅びるどころか、テレビゲームは社会に浸透し、eスポーツとして社会に益をもたらしている。

そもそも「ゲーム脳」とは何か？

「日常生活をゲームに置き換えて考える脳」ではない。

ゲーム脳を提唱した森昭雄によれば、テレビゲームをプレー中、

前頭前野のβ波がα波に比べて低くなる。

β波が低くなった状態は、痴呆症（認知症）の脳波と一緒になる。

考える力が衰えた状態が、ゲーム脳なのだと。

つまり「テレビゲームは脳に悪い」という説だ。

森昭雄の学説と実験については、ゲーム脳を支持した連中に負けないくらい、反論と批判が多い。

森昭雄が実験に使った「α波β波解析用携帯型脳波計」に問題があるとか、

被験者の集め方、被験者への意見の聞き方に問題があるとかだ。

さらなる問題は、ゲーム脳を肯定し、いい加減な結論を下した立花隆だ。

立花隆は2000年代前半に話題となった「キレる若者」についても、鵜呑みにしている。

「最近の若者は羞恥心がない」「若者の相当数は脳機能が低下してる」などの俗説を、無批判に垂れ流している。

考えなければならないのは、ゆとり教育で週五日制になった結果、子供たちがいちばんふやした時間がテレビゲームに費やす時間だったという事実だ。(P.329)

豊富な反証によって、ゲーム脳はエセ科学と認定された。

立花隆は「知の巨人」と名高いが、とんだお笑いぐさだ。

デジタルゲームとeスポーツの発展において、立花隆の言説は害悪だ。

死んで良かった。

Permalink | 記事への反応(1) | 13:01

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