家庭の都合で急に一人暮らしを始めることになり、慌てて物件を探した。
選んだのは通勤にも便利な駅から徒歩5分の鉄骨造、築30年超えのマンション。外観はぼろいけど部屋は至ってきれいで、全てとはいかないものの、ある程度は自分の希望条件が揃っていた。家賃も相場より安かったのと、何より土地勘のあるエリアだったので、あまりよく考えずにすぐ入居を決めてしまった。
入居初日、隣の部屋から咳込む声が聞こえてきて驚愕した。壁?!?!どうした?!?!
もともと住んでいた実家は戸建て。幸いご近所トラブルも無縁の静かな田舎で育ったので、まさかまさか、こんなにも生活音が筒抜けとは思わない。
内見の時には部屋は静かだった。共用部に騒音に関するポスターもなかったし、一応(形だけ)部屋の壁をコンコンと叩き、不動産屋にも防音はしっかりしてるんですかねえなんて聞いていたが、タイミング悪く隣人が外出か寝ていたのかもしれない。
聞こえてくるのは咳だけでなくもちろんくしゃみも、クローゼットを開ける音、足音、浴室を開ける音、電子レンジの操作音、果てはスーパーのビニール袋のガサガサという音まで。(ほぼ満室と聞いていたが、なぜか上下の生活音は全くと言っていいほど感じなかった。)
とは言え、隣人もわざとこれらの音を出しているわけではないし、聞こえてくるということは、つまりこちらの生活音も筒抜けということ。慣れるしかないのかもしれないと思うようにしていた。
ところが入居から2週間経った頃から、隣の部屋からやたら人の声がするようになった。はじめは友人でも呼んでいるのかと思ったが、1人の声しか聞こえない。おそらく、通話しながらオンラインゲームか何かをしているのだと察した。
ただ会話している声だけならまだしも、相手はオンラインゲームに熱中しているオタク(仮)、文字通りデュフフwwwみたいな笑い声が夜中の2時頃まで聞こえるのでめちゃくちゃ気持ち悪い。聞こえてくる声は女性のものだが、自分のことを俺と言っているのを聞いて思わず鳥肌が立った。今時俺なんて言う女オタクいたんだ。
1週間それが毎日続いたので、仕事中にも頭の中でデュフフwwwという声が再生されるようになり、耐えきれず管理会社に連絡した。すぐに苦情に関するポスターを共用部に貼り出してもらい、全戸に投函してもらったが、効果はない。今も隣の部屋からデュフフwwwとエキサイトするオタク(仮)の声が聞こえる。
これから物件を探す人には声を大にして言いたい。まずは防音、遮音性を重視した方が絶対に良い。戸建てなど静かな環境で育った人は特に。
間違い:戸建てなど静かな環境で育った人 正解:戸建てなど騒音を出しても誰にも指摘されない環境で育った人