小5の時、夢の出前授業なるものがあった。
授業の終わりに、自分の夢を書かされた。
私は、優しい大人になる、と書いて出したが、先生に止められた。
どうやら、将来なりたい職業を書くらしい。
そんなこと言われても、わからない。さっきのは紛れもない本心で、あれ以上のものはなかった。
結局私は、そのまま出した。
先生は諦めたのか、何も言わなかった。
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初めて、人に騙された。
無意識の悪意を向けられた。
そんな人間がいるなんて思ってなかった。あまりに強烈で、精神が歪んだ。
でも、ただ愛想笑いを浮かべて、虚勢を張った。
3年経ったら、マイペースでいつもニコニコかニヤニヤかしてる何言われても大丈夫な最強の存在に、周りの人の間では認識されていたらしい。
ーーー
初めて殺意を持ったあいつは、一丁前に悩んで、一丁前に悲劇のヒロインをやった。
私にしでかしたことなんて綺麗さっぱり忘れて、周りの人達に、同情されている。
ふざけんな。
ずるい。
なんで私はこんなに耐えてるの?
今だってそいつと普通に遊べる。何なら辛かった当時だって遊べた。
何で私は精神が壊れないんだ。いや、とうに毒は回りきってるかもしれない。
致死性ではないだけに悪質だ。
人が怖い。
誰にも心の内を開けることはできなかった。
彼女には、「自分のことを何も話してくれないから」という理由で振られた。
一生懸命伝えようとしたのに。伝わらなかった。
ずっと前から、私の心のほとんどは、悲しみで埋められていて、残った窮屈なリソースさえも、自分に使うので精一杯だ。
でも、それでも足りない。
一人じゃ到底生きられない。
涙は体の内側で循環する。
でも、人が怖い。
なまじ表面を取り繕うのが上手いだけ、誰も心配してくれない。
必死に自分の内側のグジュグジュなゴミを吐露しても、無限に溢れてくる。
残されたのは、ただただ自尊心の低い私だけ。
何者でもない。何者にもなれない。
何か特別なことができる、特別な人にならないと、ダメなんでしょ?
違うって言う人もいるけど信じれない。
私は日々を、退屈そうに過ごす。
周りの人は適当に手を抜いてやっていると思ってる。
実際は何とか立っているだけで精一杯なのに。
それでも私は虚勢を張り続ける。
申し訳ない。
こんな自分なんて受け入れられない。受け入れたくない。
それでも、胸の奥から膿のように出てくるこれは、世間一般に言うと、本当の自分というものなんだろう。
ーーー
ただ、ただ、寂しい。
そうやって吐き出せ吐き出せ。 全部は無理だが自分の中でぐじゃぐじゃになってるもの書いて吐き出せば毒の一部はゲロといっしょに出ていくよ。