久々に見たけど何だ今日のあの話。
後味が悪いっていうより、うっすいスープ飲んでたら底に泥が溜まってた、みたいな感じ。
最初から最後まで、ずーっと「いや、ええ……?」みたいな展開続きだったし、結局アレはどうなったの?みたいなのも残ってるし、
終盤まではまぁ、「うーん外れ回かなぁ」ぐらいに思ってたんだけど、最後の最後で「稀に見るクソ回」にまで下がった。
私の記憶にある限りでは、普段の捜査一課は犯人連行するときは絶対に犯人を挟んで視界に入る位置を歩いていたと思うんだよね。
犯人が何か不審な動きを見せたら、伊丹さんも芹沢さんも、すぐさま押さえつけられるような位置取りだったはず。
それが、今回は何?新人も含めて3人とも、それどころか特命の2人までうっかり目離しちゃったの??しかも犯人が鉄柵超えちゃうような時間???
いやいやいやいや、ありえなくない?だったら、連行される前にナイフ持ち出して「近づいたら首を切る!」って言いながら飛び降りようとする、みたいな流れの方がまだマシじゃない?
クソゲーとか打ち切り漫画とかクソアニメとかによくある、「脚本のために登場人物が無能になる」っていうのを好きな作品でやられるとほんと腹立つんだなって痛感した。
相棒で飛び降り、って聞いて真っ先に思い出すのは、「贖罪」。次いで「ボーダーライン」。
犯人が自ら命を絶とうとする話で思い出すのは「ミス・グリーンの秘密」。
神戸君回ばかりなのは、私が神戸君が好きだからなので置いておいて。
いずれも、正義とは何か、社会とは何か、生きるとはどういうことか、と、非常に大きなメッセージとテーマを持ったお話だったと個人的には思っている。
ショッキングな展開を描くのは、メッセージを含んだストーリーを、その展開とともに強く印象付け、記憶と心に焼き付けるための手法であり、相棒の「後味の悪い話」は、だからこそ強く印象に残るのだ、と(ミス・グリーンの秘密はそこまで後味は悪くないですが)。
それに比べて、今回の話のなんと底の浅いことか……
この話を印象付けて、果たしてそこには何が残るんだ。後味の悪さだけを残すのならやめてくれ。ただ後味の悪い話なんざ求めてないんだ、こっちは。
おそらく今回のテーマは、最後の右京さんの言葉「自分で選んだ人生」ってところに集約されているんだろうけど、その言葉を受けた犯人が飛び降りてしまったことで、逆に右京さんの言葉を否定するような演出になってしまっている。
右京さんのその言葉をメッセージとして残すのならば、むしろ先に飛び降りようとしていたところを、右京さんの言葉で踏みとどまる、みたいな流れでも良かった。
「ミス・グリーンの秘密」も、最後は思いとどまってくれて、だからこそ心に残るエピソードになってるのだから、自ら命を絶つシーンを見せないと印象に残らないわけじゃない、ってことも分かってるだろうに……。
全体的にも非常にお粗末というか、その場しのぎ感の目立つストーリーラインで、久々の相棒なのに残念だったなーという話でした。
柏原くんはネオリベに殺されたんだよ