2020-10-14

世の中にはそれをするための前提条件みたいなものがあるって思ってた

その条件を満たしていないとしちゃいけないんだと思ってた

ゲームとかで一定以上のレベルがないと入れないダンジョンがあるみたいに

から正社員じゃないと家は買えないんだと思ってた

いや買える、買えるんだけども、それはちゃんとわかってたはずなんだけど

自分正社員ちゃんお金を稼いでなければ家なんて買っちゃいけないと思ってた

独り身だし片付けもできないしそんな権利はないと思ってた

車もそう

免許はあるけど方向音痴だし隣に母親を乗せて運転したとき事故を起こしかけてから乗ってない

車も買ってない

なんていうか実績解除のために必要な鍵を自分は持っていないからできないんだと思ってた

そう思ってやりたかったけどやらなかったことが実はたくさんあったんだって気付いて今呆然としてる

カブが欲しかった

薄い水色のカブ買って秋口に遠くまで一人でドライブに行きたかった

本当は父親セドリックだって乗ってみたかった

軽自動車もまともに運転できないのに?軽自動車もまともに運転できないのにレトロカーに乗ってみたかった

片付けられないかワンルームの部屋を選んだ

片付けができない人間が広い部屋に住んだ所で場所無駄にするだけなんだからそんな権利はないと思った

料理ができないか電気コンロの部屋でもよかった

まともな料理が作れない自分に二口コンロは不要だと思った

大学だって行かなくてもいいって思ってた

それは母親に「働くとき苦労するから大学は出なさい」って止めてもらったけど、成績も悪いしやりたいこともない自分大学に行っても負担をかけるだけだと思った

当時は今からでも働いて家に金を入れた方がいいんじゃないかって考えてた

みんなは頭がいいしそれをできる権利を持ってるから

自分はその権利を持ってないからそれをしちゃいけないんだって

そうじゃないんだな

支払いさえできるなら俺は何色のカブ買ったっていいし練習して公道を走れるようになればどこにドライブに行ってもいいんだし

積立して貯金してそれができるだけの金ができれば家買ってワンルーム以外に住んでもいいんだ

これは一体いつどこで自分にかかった制限なんだろう

大きい買い物をする時も仕事を変える時もずっと誰かに「そうした方がいい」って言ってもらわなきゃできなかった

自分制限解除の権利がないって思ってた

いいんだ好きな家に住んで好きなもの食べて好きなところに行っていいんだ俺

すごい

本当はテーブル椅子が置ける部屋でプレステ買ってゲームしたい

リビングで大きいテレビ

家でエリンギも育てたい

猫かハムスターを飼いたい

飛行機で遠くに行きたい

草野心平記念館を一日中見て回りたい

キャンプ場で友達カレー作りたい

彼女と手をつないで来年も再来年もずっとその先も花見に行きたい

それ全部できるんだ

からだってできるんだやっていいんだそんなん

生きててよかった

とにかくこれからお金貯めて

それでカブ買いたい

それでいっぱい練習してから遠くまで行く

カブからそんな遠くないかもしれないけど

とにかく遠くまで行く

知らない店の知らない飯を食うんだ

遠くまで行こう

  • こういうタイプのは、伸びるときは伸びるし、伸びないときは伸びないね。

  • それに自分で気がついたというのがとても良いことだと思います。自分で可能性を狭めなければ人生楽しいことが沢山あるので、是非謳歌してください。良い日々が過ごせますように。

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