周囲には人がほとんどいない。受付も自動化されている。作業場の俺の周囲10mには人がいない状態だ。
そんな環境でもマスクはつける。そういうものだ。しかし暑い。熱い。マスクの下は汗でびしょびしょ。マスクの下あごに汗が溜まり水たまりになろうかという勢いだ。絞らずとも水がしたたり落ちる。不快極まりない。
そんなわけで、定期的にマスクを外して汗をぬぐい、時にはマスクも拭き、あまりにひどいとマスクを交換する。そうでなければ、死んでしまう。
そうこうしていると、俺に近づいてくる二人の人物があった。片方が施設職員、もう一方は普段着の人物だ。
「こいつだよ!こいつは全くマスクも付けねぇで、コロナまき散らしてるんだ!」という内容を繰り返していた。繰り返しながらも、自分の怒声に掻き立てられてさらにエスカレートする。ついには俺が中国から送り込まれたテロリストということになった。
そんな人物を施設職員はなだめつつ、「当施設では来場者にマスク着用をお願いいたしております。なにとぞご協力をよろしくお願いいたします」と告げ、去ろうとした。
するとその人物はまたも激昂する。
この中国人を叩き出せというわけだ。しきりに「ウーハン!ウーハン!」と叫んでいる。どうやら「武漢」が彼の中では恐るべき罵倒語になっていて、「ウーハン」と言えば不逞な犯罪者は押し黙ると思っているようだ。さながら悪霊退散のお経である。
さすがにこれでは作業もできない。施設職員に退出すると告げ、帰る準備をし始めた。
その人物は隣でずっと「中国に帰れ!ウーハン!ウーハン!」と怒鳴っていた。
人生であれほどのヘイトを向けられたことはなかった。ひどい気分だった。
まぁさすがにあの人物は何かしらの問題を抱えた人なのだろうが、怒鳴られ続ける中で「こいつが一番嫌がることをやってやろう」「もうマスク取って咳の一つでもしてやろうか」という考えが生まれてきたのは事実だ。それをやると警察を呼ばれるからマスクは取らなかったが。
多分、マスク反対派の中には似たような経験、あるいは妄想をした人がいて、「うるさいマスク派の嫌がることをやってやろう」という動機でマスクをしない人もいるのだろう。マスク反対派の気持ちが、少しわかった。もちろん、他の動機の人も多いのだろうが。
この「相手の嫌がることをやってやろう」というのは昨今の社会の大きな問題だ。
ウヨサヨ論争がわかりやすい。相手の嫌がることを積極的にやることで、相手への嫌悪を自身の中で加速させて後戻りができないところまで行ってしまう。瞬間的にに作り出した罵倒が事実のようになって、さらに憎悪が積み重ねられる。そうした姿勢、論法がこんどは政治家にまで広がって、「そうだそうだ!」と乗っかってしまう。
右翼って「ウーハン」という中国に配慮した読み方をせずに「ぶかん」って読む傾向ない?
そのウーハン連呼した人(Aとする)が増田がマスクを外した一瞬を見てたってこと? Aでなく増田が施設から退出させられたのはなぜ?Aは施設の重要人物なの?
コロナに対してはマスクの有用性が不明だし、 熱中症に対してマスクは明らかに危険だからみんなでリスクを下げようねって簡単な話よ。 人は新しいリスクを過剰に恐れて一度受け入れ...
少なくとも、マスクは熱中症に効果があることは判明している。 その時に、コロナに対してはわからない。 では、コロナに対してはわからないから、マスクしないほうがいいよと、あな...
中国人と武漢がウイルスをまき散らしたのは厳然たる事実であって、 それに目をつぶって、ウヨサヨ論争とかではぐらかすのはやめようね。 何の原因もなく、他人に憎悪されるわけがな...