漫画家にとっての打ち切りとは、失恋と仕事でクビを宣告されるのが一気に来たダメージだと想像してもらえたらいい。
自分の分身とも言える愛するキャラクター達にもう会えなくなってしまさう。
仕事が出来ないと判断されクビを宣告され、職を失うので金の心配も尽きない。
それが打ち切りだ。
もうこれはとにかく辛い。
辛くて辛くて堪らない。
そうなると、成功してる奴らが羨ましくて憎くてしょうがなくて、その姿を見たくないから本屋にも行けなくなる。
ネットをしていて出てくる漫画のバナー広告なんかにも心を抉られるし、Twitterに流れてくるアニメ化や◯◯万部突破、重版お礼などのツイートにもダメージを食らわされる。
普通に生きているだけなのに、日常的にお前は仕事が出来ない駄目人間なんだと何度も何度も言われる気がして段々気が狂いそうになってくる。
だから僕は、自分より明らかに下手くそでつまらない漫画を描くTwitter出身の漫画家の、Amazonで大量に付いた星1の書籍化レビューを何度も何度も見直して、少なくとも自分はコイツよりは絶対マシだ、自分よりも下がいる、と思う事でなんとか精神の安定を図ってきた。
自分がやってる事のクズさに気付いてはいるが、客観的には誰にも迷惑は掛けていないので別に良いやと思い、そのページに何度も何度も通っていた。
ところがその漫画の最終2巻が発売される直前、Amazonの評価がガラッと変わってしまった。
それまで数ヶ月に1つくらい、星3以下の辛辣なレビューが入るのが殆どだった1巻の評価が、2巻発売直前にレビュー無し星5評価がダダダッと入って4.3くらいの普通の評価になってしまった。
こっちは相手の低評価に心の安定を図ってきたので物凄く面白くなかったのと同時に、やらせなんじゃないかと思った。
2巻発売に合わせて関係者が評価を上げに来ているんじゃないだろうか。
まさかこの漫画の評価欄に通い続ける者が居るとは思わずに、やったものなんじゃ無いだろうか。