実は東京郊外の500床ぐらいの救急病院に勤めている。救急車は年間3〜4000台ぐらい受け入れている。
しかし話題のコロナはあまり来ない。ジャニーズからマスクは来るけどコロナは世間が考えているほどは来ない。
しかしPCR外来もあるから、コロナ疑いの人は一応くるし、その中にはコロナ陽性の患者もいる。
でも、こののほほんな土地柄なのか陽性の患者も呑気で、患者どうしで仲良くなって、コロナ病棟のデイルームでみんなで軽装で集まってラジオ体操していたりする。その姿を、私たちは予防衣フル装備で見ている。なんだか矛盾した光景だ。
テレビでの医療現場のニュースが悲惨すぎるのが信じられない。やっぱり都心は3密だからね〜と、少し別世界に感じている。
しかし、この状況が長期化してきている。
今はどんな病気でも、基本、発熱があったら即コロナ疑いの発熱病棟に突っ込まれる。たとえ今までだったら違う病気じゃね?と思っても、PCRで否定されなきゃそれ以上はコマを進めない。
そんな中、夜中に発熱病棟に呼ばれ、急いで行ってみたら、病室で患者さんが吐血して床に倒れていた。そばには若手の看護師。発熱病棟は最小限の人数で回しているため、他の看護師は他に呼ばれていたら行かなくてはならないため、経験の浅い若手看護師は1人ではこうなったらどうしていいかわからずヘルプしてきたらしい。
とりあえず患者をベッドに戻さなきゃならない…と2人でやってたら、突然若手看護師の手が止まった。
「最近みんな辞めちゃうんです。Yさん(私)は辞めませんよね?!」
何言ってるの!今は患者戻さないと!!!と怒鳴りたかったけど、私には予防衣の下で泣く彼女に何も言えなかった。
当院は今話題の病院に比べたらまだマシな方だ。ボーナスも去年より少ないけど出たし、コロナ手当も他院に比べたら破格に出ている。
コロナ対応も、患者はほぼ自立しているし、呼吸器つけている患者も1人か2人ぐらいしかいない。一般病棟に比べたらめちゃくちゃ暇かもしれない。
地域での感染者が少ないため、職員も特に医療従事者差別も受けず暮らしている。
でもみんな辞めていく。ICUの尊敬していた先輩の姿も最近見ない。
来月はコロナ病棟の夜勤者が足りなくて救急外来からヘルプを出すことになっている。私の夜勤は9回で、それでも人が足りなくなっていっている。私には理由はわからない。