新人ちゃんと初めて一緒に仕事した。新人ちゃんは相棒とか若奥さん(店長の奥さん)とかとはすごくよく喋るのだが、私相手にはこれまでひたすら無言だったので、初めて会話が成立したときは、中々慣れてくれない猫さんが撫でさせてくれた時のような感動があった。
暇だねえ、超暇だねえ、ばかり言い合っていたのだが。
「あたしはそういう事やらないです。怠いし」
と言った。率直ー!
そうだよね、掃除なんかしたってこの店では誰も評価しないし、時給据え置きで余計な仕事を増やされるだけだし、自分がいいかっこしたいがために余計なことする無能な働き者として、仕事仲間からも嫌われるだけだ!だから君はやらなくて良い!
私も、人に流されて一緒にせかせか働きつつ、内心では何でこんなことまで私が!と恨みつらみを燻らせる系の人との勤務だったら、掃除などしない。
そうやって、私がもそもそ仕事をしている間、新人ちゃんはレジでひたすらボーッとしていたが、新人ちゃんは普段はめちゃめちゃ仕事が出来るそうだし、オーナーのお気に入りなので、それで低評価を受ける事は無いだろう。たぶん。
この店では、新人ちゃんだけでなく、仕事が出来る人ほど必要最低限しか仕事をしない。レジ接客をして商品の補充が抜かりなく出来ればあとは自分の仕事ではない。そういう割り切りが出来る人が、仕事のできる人なのかもしれない。
私みたいに、お給料を貰う見返りとか、敢えて私を雇ってくれたのだからとか、そういう事を考えるのは、ダメな証拠なのだろうなぁ。
ずっと、「お前の代わりなんかいくらでもいるんだぞ」と脅され続けて来たのだ。職場でも家庭でも。
それと、私がこそこそ掃除するようになった理由の一つは、昨年の初冬にあり得ない所でちょっと大きめの甲虫が冬眠(に失敗して死亡)しているのを発見してしまった事である。それを見て、この店は誰も真面目に掃除をしていない事に気付き、このままでは近いうちにそれが原因で営業停止処分を喰らうだろうと思ったからだ。
ここでも、「こんな私を雇ってくれてしかもノルマも課さないお店が潰れたら私の生活がヤベェ」という下らない使命感を覚えてしまった私だった。
そこからちまちま掃除をし始まったら、今度は小汚ない場所が自分の手によりピカピカに変わる事の快感に、病みつきになってしまった。
こんな事したって、売り上げにはびたいち影響しないのだけどなぁ。
新人ちゃんが帰ってからも、暫く究極に暇な時間が続いていたので、私は掃除を続けていた。新人ちゃんと交代で入ったのは店長だった。
どうせ店長は事務所に入りっきりになるからと、私は油断して掃除にのめっていたが、意外にも店長が私が自主的に掃除している事に気づいて、素で喜んでいた。そして、
「じゃあついでに、値札ついてない商品があったら、値札発注しといてね☆」
仕事が増えた。ほらね。
仕事が一個増え、掃除も佳境といったところで、お客様がぞろぞろと来店。七時半だ頃だった。
皆、お正月に飽きたのだろうか?
「お前の代わりなんかいくらでもいるんだぞ」 ファミコン世代の上司あるあるだよね リセットすればやり直せるっていう使い捨て感覚
お前の代わりなんていくらでもいるんだぞ のかわりに 職場の代わりなんていくらでもあればよかったのにね(T_T)
https://anond.hatelabo.jp/20190103104756