2018-12-12

公然わいせつ罪の保護法益を”見たくない権利”にするべきか

と書くと「え、見たくない権利じゃないの?」と思うかもしれないが実は違う。公然わいせつ罪の保護法益も現時点では”最低限の性道徳であるとされている。

から公然わいせつ罪が成立するのは露出狂などに限らない。現在では、『ストリップ性器が見えた』『乱交パーティー参加者不特定多数相手募集して開催した』『キャンプ場を貸し切ってAV撮影した』なども公然わいせつ罪となる。

それは法律としていかがなものか、ということで保護法益を”見たくない権利”にするべきという主張もある。

だが、”見たくないようなわいせつ行為”をどのような基準で設定するべきなのかという議論は残る。候補は3つほど考えられる。

1.完全に主観

要は『見て不快になった人がいたらアウト』である。この基準で行けば見た人の『見たくない権利』は完全に守られる。

一方で、駅前カップルキスをしているところを、たまたまキスであってもわいせつ行為であるとして不快になる」という性嫌悪の人が目撃して訴えたら罪になることが妥当なのか、という問題は残る。

2.完全に客観

事情がない限り(※←追い剥ぎに服を全部奪われたなどは仕方ない)○○が見えたらアウト』のように客観的に設定する。

このようにすれば、「私は性嫌悪で、キスシーンを見ただけでもわいせつ行為であるとして不快になる。にも関わらず駅前カップルキスをしているところを目撃して不快になった」などは罪にならない。

だが逆に、「○○氏はキスシーンを見ただけでも不快になる性嫌悪であるそいつへの嫌がらせとして、目の前で彼女キスすることを繰り返してやりました」も罪にならない。それは妥当であるかという問題は残る。

3.原則として客観、ただし相手事情承知した上で行う行為は一部主観を認める

ちなみに強盗罪基準はこれに近く、強盗罪が成立するための暴力は『相手の反抗しようという気持ちを押さえつける程度』が基準となる。

原則としては客観判断するが、『相手特に弱気であることを分かった上で』の抑えめの暴力場合は成立することがある。

公然わいせつの”見たくない権利”にも似たような基準として、『原則としては○○が見えたらアウト。ただし、相手特に性に潔癖だったりすることを承知の上で行う場合はその限りではない』とする。上記の1と2の折衷である

ただしこの場合、「○○氏はキスシーンを見ただけでも不快になる性嫌悪であるそいつへの嫌がらせとして、目の前で彼女キスすることを繰り返してやりました」は確かに罪になるかもしれないが、同様に

杉田水脈の『同性愛生産性がない』発言への抗議として、同性愛者が集まって杉田水脈の前でキスして見せました」を杉田水脈公然わいせつと訴えた場合は罪にしなければならなくなるかもしれない。それは妥当であるか。

はてなーの皆様はどう考えますか?

  • 嫌がらせは迷惑防止条例の方でカバーして、公然猥褻の保護法益に入れない つか今がそうだけど

  • 「完全に客観」に一票。個々人のお気持ちなど考慮に値しない。 さらに言うなら公然わいせつ罪すら不要。「わいせつ」って言葉の定義が主観的すぎる。

    • さらに言うなら公然わいせつ罪すら不要。「わいせつ」って言葉の定義が主観的すぎる。 ならば本当に性器を見せつけてくるような露出狂にはどう対応するべきだと考えますか?

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