今年の初めに推しが突然の芸能界引退をしてからと言うもの、他に応援しているものはあったとはいえ約6年応援していた熱量を埋められるものではなく心にぽっかりと穴が空いてしまった。
とはいえ、何かを始めるのに遅すぎることはないし今日が一番若いのだからと思ってあれこれ手を出すことを繰り返して、ようやく新たな推しを見つけた。
古くはニコ動、今はYouTubeを中心に活動されている方が多いけれど、私の推しもニコ動出身者ながら近頃は主にYouTubeで配信している。編集した動画を投稿したり、生配信してみたり、時たまリアルイベントへ出演したりすることもある。
きっかけは元々よく見ていた実況者とのコラボ配信動画を見たことだった。なんだかこの人良い声してるなぁ、格好いいなぁ、面白いなぁ。そう思った次の瞬間にはすでに沼へと足をズブズブ踏み入れていた。
過去に投稿された動画は一通り見た。生配信があればコメントを忘れなかった。遡れる限りの数年分の数万件にものぼるツイートも読んだ。久々に人を好きになっていく過程の高揚感が堪らなく楽しかった。
そんな中、推しがとあるイベントへ出演することを知った。これ幸いと、チケットをどうにか手に入れて単身現場へ乗り込んだ。グッズなんて持ってないから当日買うしかないし、知り合いもいない状況で現場の詳しいルールもわからないから、現場に何を着ていこうかなんて久々に悩んだ。
推しが間近で喋っている。ゲームをしている。あまつさえライブまで行っている。その上、なぜだが分からないがお金も払わず接触している。
ただでさえドームの距離に慣れたオタクである。箱は数千人規模と来ればその差は歴然としている。
なんだ? ここは? 極楽か? お金を払わせてほしい(当たり前だが既に入場チケット代は払っている)、などとオタク特有の狂ったことを考えながら、前日に認めたファンレターを推しへ手渡していた。推しははにかみながらも受け取ってくれた。
イベントの翌日にはファンメールも送った。その翌々日には返事が返ってきた。どういうことだ。御本尊とオタクとの距離が近すぎる。パニックを起こしながら推しにスパチャを投げていた。
結局、何が言いたいかというと、今、人生の中でもトップクラスに楽しい。
日常生活で嫌なことがあったとしても、推しが居てくれるから頑張ろうと思えるのだ。私なりに前の推しのことも全力で推していたつもりだったけど、今回の推しも心残りのないようにこれまで以上に推したいと思う。推しが推せる立場でいてくれる間に、悔いのないように推したいと一層強く思った。