2018-09-07

物理的に無理」

「透明なゆりかご」をまた見た。

必ず見ているわけじゃないんだけど、金曜日10時、ぼんやりしているとそのドラマは始まっていることが多い。

こないだ見たのは14歳女の子妊娠して、強いお母さんになる話だった。

こう書くと簡単だけど、生易しい話じゃなかった。

「エグいなあ」

わずでたのはこの一言だった。

今日も「ニュースが終わったなあ」と思っていたら、「透明なゆりかご」がまた始まった。

今日テーマ妊娠と働く女性の話だった。

バリバリにデキる産婦人科を専門に頑張りたいと思ってる看護師さん。

頼りになるかっこいい看護師さんだ。

バシッと患者さんにも同僚の看護師にも意見を言う。

決めることは自分で決めてきた。

結婚をし、子供を生むと決めて妊娠をした。

この仕事が誇りでこれからも続けていきたいと思っている。

出産後は試験を受けて資格も取るつもりだ。

妊娠病気じゃないから」という言葉をおそらくわかって自分には使っている。患者さんには決して言わないだろうに。

こんなふうにわかって妊娠したはずだった。

覚悟もしていた。

でも、いざ妊娠するとつわりもある、体調も良くない。

出産ギリギリまでバリバリ働いていた看護師なんていっぱいいた、自分もおなじようにできるのだ。

彼女は夫に言われる。

子供欲しいって決めたんでしょう?」

覚悟していたはずだった。

でも、子供が生まれたら夜勤はできなくなるよ?資格なんて取れないんじゃない?そんな試験勉強時間があるの?

思ったようにいかないことはわかっているはずだ。だから考えて決めたのだ。決めたはずなのだ

そのはずなのに、不安背中から山のような頭をもたげてくる。

ああ、これは私だ。

8年も前なのに、涙が止まらない。

彼女が叫ぶように言う。

物理的に無理』

そうなのだ、命がけの出産子育て仕事なんてできるんだろうか。いや物理的に無理だ。

眠ることはおろか、トイレにすら思うように行けない日々が続く。

本当に運が良い人だけ、よく眠りよく食べる子供を授かることができる。

素晴らしい医療技術のおかげで、日本では赤ちゃん妊婦さんも亡くなることが本当に少なくなった。

なので、みんな「安全に」出産子育てができると錯覚している。誰でもやっている我慢すればできることだと。

そんなはずないのだ。みんな生む前も生んだ後もズタボロだ。

誰も手を差し伸べてくれないのだと、どん底孤独になった。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん