2018-02-20

おとなになって初めてうんこ漏らした話。

(……うん。屁だな。)

――もにょるりん。

僕は「呑気症(どんきしょう)」と呼ばれる病気?持ちだ。

唾液が過剰に分泌されるため、それを飲み込んでしまう体質なのだ

そしてその唾液を飲み込む際、必ず空気も多少は飲み込んでしまう。

それ故、ゲップが多い。もしゲップを我慢し続けた場合、その空気臭気を伴って肛門から排出される。

――そう。屁である

呑気症である僕は、街中でもよく屁をこく。

ようは気づかれなければ良いのだ。気づかれたとしても、全く知らない他人にどう思われても良い。

いつものノリで、屁をここうとしたところから始まる話。

……やばい

確実に漏れた。

焦る。




しかもここは仲のいい店員のいるおしゃれなカフェ

スーツを着て、マックブックを開いて作業中。

うんこ漏らしたことは確実にバレないよう、かつ、迅速にソファへの被害を最小限にしなくてはいけない。

もう、少しは外皮(スーツ)にまで染み出している……。


僕は尻肉に挟まった半液体状のうんこを尻目に、即座に立ち上がった。

ここまでの思考はおよそ0コンマ数秒。

ケツにヌルヌル感を感じながらトイレへ何事もなかったかのように向かう。



トイレは空いていた。

カミに感謝した。なぜなら、いち早く拭き取らなければ、外皮への更なる浸入を許すことになるからだ。

鍵を閉めると同時にベルトに手をかけ、素早くパンツ確認する。



びっしょりだ…

まるで、情事に及んだとき女性のそれであるかのようで、

意味不明な感動を覚えた。非常事態ほど、ムダな思考が働くものである

さて、後はきれいに拭き取ってまた何事もなかったかのように自分ソファへ歩き出すだけである


しかし、パンツの繊維にはもう確実にうん汁が染み込んでいた。

……においの問題が浮上した。

悩んだ僕の目に飛び込んできたのはアルコール製剤の便座クリーナーだった。

とっさにトイレットペーパーをちぎり取り、アルコールを大量にかけてパンツアルコールを染み込ませた。

……これで大方におい問題解決だろう。



ただ、一番の問題は、今このソファから立ち上がるのが怖いことである

確実に"シミ"が残っている筈だからだ。

トイレに立ったときは、カバンでさり気なく隠した為事なきを得たのだが、退店となるとそうもいかない。

そのことを逡巡しつつ、私は冷めて行くコーヒーと共に駄文を打ち込むのであった。

ホント、どうしよう)

特にオチはないのだが、大人になって初めて公の場でうんこを漏らした記念に書いてみた。

掲示板かにもっと壮大なうんこ漏らし話があるが、本当に軽度で良かった。

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