自分は世間で言う魔法使いつまり恋人いない歴=年齢ってやつで、もちろん性交渉はしたこともない。ごくごく普通の家庭に生まれてごくごく普通に生きてきたけれど、その機会だけには恵まれずとっくに30は過ぎた。
そんな自分が、たまたまネットで知り合った人と会うことになった。相手から会いたいと言ってくれた。サッカーが好きな自分は相手がサッカーに興味を持ってくれたことが嬉しかった。
魔法使いではあるけれど、異性に対して特に苦手意識はない。週に3回しているフットサルではmixで活動しているし、異性とのぶつかり合いやら触れ合いやらは日常茶飯事だ。会話だって男女いる職場だから話せないということはまったくない。だから、会ってすぐは問題なく楽しく過ごせた。普通にカフェでコーヒーを飲み、ネットの中と同じように会話をした。
違和感を覚えたのはこの後からだ。行き先の関係でバスを待っていると、相手と自分の距離がやたら近い。手がぶつかってしまって、ごめん、と謝った程だった。
それがぶつかったのではないと気付いたのはバスに乗ってからだった。
隣同士で座ったのだが、満席でもないのにかなり詰め寄ってくる。しかもどんどんと近くなる。ふと気がつくと相手が自分の手を這った。しばらく放置してると案の定手を握ってきた。わざわざ携帯を持っていた自分の手を無理やりほどいてまでだった。
恥ずかしい話、硬直してしまった。さっきまで親しげに会話ができていたのに、急になにがなんだかわからなくなった。もしかしてスリを狙われているのではと勘ぐり、手を払って携帯を握りなおした。すると今度は逆の手を握りしめてきた。近いと文句を言っても手を払っても無駄だった。仕方ないので目的地にたどり着くまでのバスの間は放置した。
目的地についたらついたですぐまた手や腕や肩を求めた。もちろん拒否して距離をとった。叫ばれたりしても迷惑なのでただひたすらに和やかに距離をとった。
目的が終わって帰りのバスが一番ひどかった。眠いと言って肩にもたれ、しきりに手を這っては自分の手を握りしめてくる。キスを求めてきてるのも明らかだったけれど、懸命に押し返して距離をとった。けれど懲りずにまたしてくるの繰り返しだった。早く駅についてくれと何度も思った。
ようやく駅について、相手が年下だったからということも合って早々に駅から相手の家までのバスに無理やり押し込んだ。おなかすいたやらまだ帰りたくないやらついて行きたいやらなにやら言っていたけれど無視した。
一人になったあとは、あまりの気疲れに頭が痛くなった。
これは異性嫌悪なのか経験のなさからの戸惑いからなのかわからない。
けれど、もう駄目だと思った。今後こんなことは誰でも無理だ、と。そして頭の中でみんなこんなことしてるんだなとぼんやり思った。
とにかく出会い目的って都市伝説でなかったんだな。ヤリたいならむしろヤリたいと言ってくれ。自分には相手は無理だけれど誰か紹介くらいはするから
この件を経て、ようやく一生魔法使いでいる決意をした
※追記
妖精じゃなくて魔法使いでは?
追記で女ですってくる釣りかと
経験の無さによる戸惑いだよ。 あんたはその人のことまあいいかな?ぐらいに思えてるの? 相手はまともそうな人? まあいいかな?+まともそうな人というのなら、 戸惑いだと相手に...
次会う約束を取り付けたら、あったときには、出会い頭きゅっと抱きしめてやれ。 多分相手喜ぶから、それで吹っ切れるぞ。
「好きです」という言葉の告白をするより 好きだというアプローチをするほうが遥かに難易度が低い。 だから、好意があるが、言葉での告白をする勇気がない場合、そういう行動をする...