暑い。
先日、件の「友人」の妻と朝食会をした。
ちなみに私は、朝昼晩のどれよりも朝豪華であることが、一番コストパフォーマンスがいいと思っている。
子ども達を送り出した後の女たちがカフェでお茶を飲んでいたとしても、
くれぐれも有閑マダムなどという偏見の目で見るのはやめて頂きたく、
むしろ、安上がりな地域活性化法を実践しているという風に思って頂きたいのである。
以前として朝は起きないのだそうだ。
そして、ようやく起きてきたと思ったら、
頼んでもいない家事をいそいそとして、
あげく、「間に合わない間に合わない」とイライラと出て行くのだとのことである。
「この朝だけで、「リ」ではじまる三文字が妻の頭をよぎっていることなんて、
想像も及ばないんだろうね」、と言うと、友人の妻は紅茶を啜りながら遠くを見つめた。
(本気だ)
と私は、それを見て震えたけれど、
私が震えたところで、どうなるものでもない。
「今頃、満員電車の中で朝から家事をした自分に酔いしれているんだろうけど、本当笑っちゃうよね。
物事には優先順位があるっていうことが、全然わかってないんだから。」
そうなのである。
永遠に終わりのない家事を、決められた時間の中で「満足」に進めるには、
「その時間に最もやらなければならないこと」に注力する他にないのだ。
お客を迎える時であれば、そうじが、
次の日でかける予定があれば、洗濯が、
優先順位の一番最初に来て、それが終わらなければ、何をやっても「満足」には至らないのだ。
そして平日の朝の第1位は、言うまでもなく「子ども達の支度」なのだ。
朝食を食べなくても、歯を磨かなくても、忘れ物をしても、学校生活に支障が出る。
学校は、子ども達の最初の社会であって、きちんと送り出すのが親の務めだ、
だからこそ妻は、自分の髪を振り乱して子ども達のお尻を叩いているのだ。
そんな時に、頼まれもしないのに、風呂を磨いている場合ではないのだ、「友人」よ。
それより、一度でもいいから完璧な状態でコーヒーでも啜りながら子ども達を起こして、
明るく朗らかに一日をはじめてはどうなのだ。
「それにね、起きられない理由が、ほんと、噴飯ものなんだよね。」
と「妻」は続けた。
私は、飯ではなくコーヒーを吹き出した。
大の大人が怖い夢を見たので起きられない、という理由がまかり通るならば、
水面下の大人の努力で成り立つ学校生活というものは、即座に崩壊するのだよ。
あんた、人を育てる気あるのか。
そんなわけで、「友人」家の受難は続くようだが、
「リスカ」かな
リコンでしょ。 リスカは駄菓子メーカー。