■エロいかより定義（と大前提）を述べて

http://anond.hatelabo.jp/20161019090423

鉄道むすめ版駅乃みちか（以下、面倒なので「鉄道むすめ版」は省略）がエロいか否かが盛り上がっているが、まず、問題とすべきはそこではないと思う。

世の中のぐたくだになっている議論の多くにも通じる問題だと思うので、この際書いておきたい。

まずは、三段論法でいうところの大前提を共有すべきである。

駅乃みちかの件で問題とされるのが、「駅乃みちかのイラストを使用することは適切か」というものだとしよう。

この問題と駅乃みちかのイラストがエロいか否かの関係を表すと、

大前提：エロいイラストを使用するのは適切ではない

小前提：駅乃みちかのイラストはエロい

結論： 駅乃みちかのイラストを使用するのは適切ではない

というのが不適切派の論理になるのだと思う。

駅乃みちかのイラストがエロいか否かは、上記の小前提の問題である。

しかし、三段論法の形で表現すると明らかになるのが、大前提の曖昧さである。

まず、「使用」、「適切ではない」の意味合いが曖昧である。

「使用」については、

・一般に企業がＰＲとして使用する

・駅のポスターに使用される（事実誤認？）

・東京メトロというある程度の公共性を有するor大規模な企業が使用する

・鉄道むすめという特定の企画の一環として使用する

など様々なバリエーションが考えられる。

また、「適切でない」についても、

・国家が規制すべき

・個人的な願望としては使用しないような社会であってほしい

・不快に感じる人が一定数いるなどの理由から経済合理性がない

・やるのは勝手だけど個人としては不快に感じる

など様々なバリエーションが考えられる。

これらの組み合わせによって、大前提は何十通りも想定可能である。

それらの大前提のうち、自分がどの大前提にたって話しているのかをそれぞれが明示していないので、議論が全くかみ合わないのである。

大前提が明らかになれば、それぞれの大前提がそもそも正しいのかどうかについて、駅乃みちか固有の問題から離れて議論ができる。

その議論は、他の事例にも応用可能な建設的なものになる余地がある。

また、エロいかどうかを生のまま論じても感性の問題にしかならない。

少しでも普遍性のある議論がしたいのであれば、「エロい」について可能な限り定義付けをすべきである。

エロさなんて定義付けるのは難しい。

「徒らに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」なんて定義をしたところで、どうやって判断するんだ、という意見もあり得るだろう。

それでも何にも定義をせずに空中戦的な議論をするよりはマシである。

また、一定の定義について、それをどのように客観性を持って判断できるかという議論もすべきだろう。

以上のように、まずは、エロいかより、定義と大前提を述べてほしいのである。

なお、この記事を三段論法的に書くと、

大前提：定義と大前提が適切に設定されていない議論は不適切である

小前提：駅乃みちかがエロいか否かの議論（及び世の中のぐたくだになっている議論の一部）は定義と大前提が適切に設定されていない

結論：駅乃みちかがエロいか否かの議論は不適切である

となる。

この記事自体の大前提やその中の定義も曖昧ではあるが、言いたいことはだいたい伝わると思うので、詳述は避ける。

Permalink | 記事への反応(0) | 12:22

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