しかし、日記だと破棄される可能性もある。ここ以外に長文を残せる場所を持っていない。
横になりながら足首を動かすのが癖の父。
コタツで仕事をしていたら、父が私の膝を足裏で撫で回してきた。
たぶん無意識だ。
こちらとしてはつらい。くすぐったくて、仕事に集中できない。
「足首を動かすのをやめて。」といったら
『俺にこたつに入るなということか。』といって
コタツをおさえて阻止。
コタツで寝ていた娘がびっくりしておきた。
「違うでしょ。くすぐったいからやめてって話でしょ。」
またコタツをひっくり返そうとした。
コタツをおさえて阻止。
父は諦めて、風呂に行った。
ペンチをだし「俺が入れないコタツなんていらない。」とコードをきろうとした。
『俺は考えてる。』
阻止。
「やめてよ。こたつに入るなじゃなくて、くすぐったいって話でしょ。」
『クセなんだから変わるわけ無いじゃないか。それになんだ、女のくせにアグラをかいて。お前がアグラをかくから、当たるんだろう。』
「当たるのはお互い様だよ、こたつなんだから。今日は仕事をしていたし、くすぐったいからやめてって話でしょ。」
『なんで俺がお前のために我慢しなきゃいけないんだ。』
阻止。
暴れる父からペンチを剥がそうとしたり、コードを引き離したりするうちに、周囲はグチャグチャ。
娘と妹は泣きながら逃げていった。
『お前は実家に帰ってきてから、男を潰すようになったな。お前は男を潰す女だよ。』
-私の元旦那はアル中×暴力×うつ病の無職で、夜逃げ・別居・離婚、そのうち死んだ。-
実際、暴れる父を抑えこんで潰していた。
ペンチの先は私の手の中、周りにはシャンメリーの瓶やたちハサミもあるけれど、距離がある。
恐らくやられることない。
泣き落としにかかった。
あの時、私を助けてくれた男の人は誰も居なかった。大好きなお父さんに一番に電話したけど、うるさいといって切られた。
お母さんもお義母さんも友達も助けてくれたのは、みんな女の人だった。
お父さんは助けてくれなかった。大好きだったのに!!!
私の聞き手の手首は父により止血され、だんだんと握力がなくなり、ゆっくりと手から流れる血で、ペンチの先を握ることが辛くなってきた。
時系列を変えて、大好きな大好きなお父さんが、助けてくれなかったトークを続けた。
父は感情をコントロールすることた、気持ちを汲み取ること、状況を読むことが苦手だ。
私は発達障害じゃないかと思っているけれど、それは本人にいってはいけないことになっている。
だから、大好きなお父さんが愛してくれなかったエピソードなんて山ほどあるんだ。
でも、表現が下手なだけで本人は愛しているつもりなのは知ってる。
ただ、本当に辛い時に助けてくれなかったあの日から、そんなことはどうでもよくなったし、父の暴力を回避するために媚びへつらうこともやめた。
いよいよ指の感覚がなくなってきて、私と家族とコタツが助かる別の方法を考えていた頃に、
父がペンチを離してくれた。
父はそのまま去っていったので、後片付けをした。
こたつの周りはグチャグチャで、壊れてしまったものもあるが、テーブルの上に残ったクリスマスケーキも娘へのクリスマスプレゼントも無事だった。
熱を出して寝込んでいる母も年老いた祖母も起きなかったし、被害は最小限で済んだ。
別室で泣いていた妹と妹に抱きついていた娘が戻ってきた。
「おねぇちゃんがぁ死んじゃうかと思ってぇ、でもなにもできなくてぇ」と泣きじゃくる妹を励ましながら、
怖かったねーとぎゅーっと娘を抱きしめたら、娘はようやく泣き始めた。
娘はこういう時に泣けない。なんらかの精神病をわずらわないといいなって思う。
娘と妹が安心して眠れるようになるまで、テレビで気を紛らわして、抱きしめて、お話をして、それから3人で一緒に寝た。
翌朝、私を待っていたのは怪我の痛みと結局終わらなかった仕事、
そしてサンタクロースからのプレゼントを抱きしめる娘の姿だった。
忙しくて病院に行けそうにないので、もしもの時のために、あったことの記録と、写真を残すことにする。
首と腕が超痛い。
ボケが始まるとキレやすくなる