妻に不倫をされた夫の話(http://anond.hatelabo.jp/20141028184640)がホッテントリに入っていたので、逆の立場である自分の話をだらだらと書き綴ってみる。
自分はいま、趣味のサークルで知り合った既婚女性とお付き合いをしている。世間からみたら、いわゆる不倫の関係というやつだ。
実は、自分としては人妻と付き合っているという意識はほとんどない。
だって、相手の夫の名前とか顔とか一切しらないんだもの。もしかしたら彼女は独身なんじゃないかと思う時すらある。
俺にとって彼女が既婚であるということは、現実感がともなっていない。
現実感がともなってないから、知り合いがいるかもしれない街なかで手をつないで歩いたりとか普通にしている。
俺としては彼女の事をすごい好きだし、愛している。
愛しているのでお付き合いをしている。
リスクとかまったく考えていない阿呆な俺にとっては、ただそれだけのこと。
ただ、外野からみたらただの不倫なわけで、我ながらたちが悪いなとは思う。
これが既婚男性だったら自身の家庭があるわけで、不倫をするにも限度があるだろうし、だからこそ打算的だ。
ようするに、ひとときの秘密の関係を楽しんでいるという認識をもってるんじゃないだろうかと思う。
限度がない。
まったくもって救いようがない。
ただ、自分には限度がないのだが、相手にはある。
最近、そのことを認識することが多くなってきたような気がする。
独身男性である俺の側としては、普段の日常と彼女と会っている時間は地続きだ。
知り合いに目撃されたとしても彼女として紹介できる。
ようするに、俺としては彼女と会っている時間は特別ではあるけども日常として分類できる時間なのだ。
だが、彼女の側としては俺と会ってる時間は普段の日常と切り離されている。
普段の彼女は夫の妻として振る舞い、知り合いからもそう認識されているだろう。
だから、俺と二人でいるときは彼女にとって非日常なんだと思う。
同じ時間を共有しているのにもかかわらず、一方は日常の延長、もう一方は日常とは切り離された非日常。
そういった非対称的な関係がお互いにはっきりと認識されることなく発生する。
デートをした後、お互いの家に帰る際に駅の中などで彼女がものすごく悲しそうな顔をするようになり、その認識のずれを知るようになった。
俺としてはひとときの別れは寂しいけれども、ただ家に帰るだけのことでそこまで悲しむことではないが、彼女にとっては違う。
彼女の帰る家には夫が、ようするに彼女の日常、彼女の現実が待っている。
最初、彼女が別れ際に悲しい顔をみせたとき、俺はそのことに気づかなかった。
だが、それが回を重ねるようになってからようやく彼女の悲しさの理由がわかるようになった。
そういう事があって以来、俺はときどき彼女の日常を想像するようになった。
旦那さんはどのような人で、どんな家に住んでいて、二人はどんな生活をしているんだろうか。
朝ごはんは一緒に食べているのか、家事の分担はどうなんだろうか、そもそも同じ寝室で寝てるのだろうか。
そんなことを想像しても答えがでるわけがなく、本当に知りたいのなら彼女に聞けばいいのだが、彼女の日常を知ってしまうとこの関係のままで居続けることができなくなってしまうんじゃないかと不安で、そのような話はしないようにしている。
いつか、そんな話をすることができるようになるんだろうか。