境内は神域であり原則畜獣立入禁止なんだが、ごく普通に「散歩中ですよ」みたいなさわやかな顔して犬連れて入ってくる奴が非常に多い。
とはいえ地元の人間は殆どいなくて、他地域から来る人間や旅行者が大多数を占める。
常連にも犬連れが居るのかというとこれが一人もおらず、犬連れて入ってくる奴らはと言えば見た事もない連中ばかりだ。
しかしそれでも境内に犬の姿が絶えないんだから年間どれだけ一見さんが来てるのかっていう話でもある。
まあ私も犬は割と好きな方なんで、犬来ても仏頂面で「かわいい」と思って眺めるだけなんだが、流石に立場上あまりよろしくない。
境内での犬どもはいきなり知らない場所に連れて来られたせいか大抵おとなしいので問題が起きる事もないが、放置するのもまずい。
たまにリードすらつけずに飼い犬を野放しにしているとんでもない奴も来るが、犬も飼い主も問題起こさないので注意しづらい。
まあ犬嫌いの奴にとっちゃその犬がかわいいか無害かなんて関係ないわけだから、リードつけてないだけで十分な迷惑行為とも言えるんだが。
ただ、犬連れて旅行とかするくらいだし飼い主も感覚が麻痺してるのか、普通に犬連れて受付に来たりする。
受付者「…すみません、ワンちゃんはお外で待っていて頂けますでしょうか?」
夫「(気付く)ん?何で外行く?」
妻「犬は外で待てって」
こちらは常識を説いただけなんだからわざと悪意にまみれた翻訳をして夫を焚き付けるんじゃねえよクソ飼い主。
こういうのがあるので、犬連れの受付はスルーするようにしている。
他にも、
断られるのがハッキリわかってる質問を敢えてして一度断られたのにそこでまだ食い下がるんじゃねえよ常識考えろクソ飼い主。
というのがあったり、
飼い主「〇〇、〇〇、〇〇、タマ…」
受付者「…。(まあお婆ちゃんの名前かもしれないし…)」
飼い主「ジョン…」
受付者「……。(もしかしたら外人の家族がいるのかもしれないし…)」
飼い主「ミケ…」
ですが~じゃねえよ家族の名前言えって言われてんだから自己判断でペットの名前付け加えてねえで言われた通り家族の名前だけ言ってりゃいいんだよクソ飼い主。
というのがあったりするので、
どちらかというと大人しいペット達よりも無理難題を言い立てる飼い主の方が普通に畜生に見える。
人間の飼い主達よりもペット達の方が神社ではずっといい子にしている。
で、こういう事が続いたりしたので職場でも犬連れの参拝者に口頭注意するようになったんだが、これがまるで効き目が出ず、犬の数が一向に減らない。
そんなやり方では、口頭で注意した飼い主が、その後家に帰ってから口コミで「あの神社で犬連れてたら注意された」と広げ、やがて犬連れてくる人が減るのを期待するくらいしかない。
こりゃ長期戦を覚悟しなきゃならないか…と思っていたところ、ある日突然、境内をうろつく犬の数が激減した。
“景観保持の為こんな無粋なモノを張りたくない”としぶる向きも多かったが、ダメモトで、入り口に張り紙を一枚張る事に。
「境内に犬を連れて入らないで下さい」
あっさりと、犬の数が激減した。
要は、「犬連れて入っちゃダメ!って書かれてないから入ってオッケーなんじゃね?」って思われてたって事なんだろうな。
そういう事じゃねえんだがなあ。