2013-05-18

男性手帳は、下手すれば少子化対策逆効果

女性手帳構想に猛烈なバッシングが沸き起こっている。

で、手帳反対論者の中で根強い意見として、

「高齢不妊問題を女性けが知っていても、相手の男性が理解してもらわなければ意味が無い、

 女性手帳を作るのなら、同時に男性手帳も作らないと、少子化対策にならない」という意見がある。

一見正論っぽく聞こえるが、本当に「男性手帳を作れば、多少は少子化の歯止めになるのか?」

自分は、「男性手帳は、下手すれば少子化を更に増進させる恐れもある」と思っている。

「高齢不妊男性にも啓発することで、多少なりとも少子化に歯止めが掛かる」というのは、次のようなケースだろう。

登場人物=アラサー女性A子、A子と付き合っているB男

男性手帳が配布されない場合

A子「私もそろそろ30歳だし、私は子供も欲しいから、お願い結婚してよ・・・

(A子の内心:「女性手帳に『30歳過ぎると妊娠しづらくなる、と書いてある。これがラストチャンス!!』)

B男「まだまだ仕事で頑張りたいし、お金もないから、先にしようよ・・・

(B男の内心:まだまだ遊びたい・・・

男性手帳配布論者が、「男性手帳を配布すると、こうなります」という理想像

A子「私もそろそろ30歳だし、私は子供も欲しいから、お願い結婚してよ・・・

B男「そうか、男性手帳にも『妊娠するなら30歳前』と書いてあったから、結婚しよう」

⇒二人は目出度く結ばれ、卵子老化前に子作りに成功した

しかし、果たして「都合よく」このような理想パターンになるのか?

申し訳ないが、男性に対して高齢不妊をアピールし続けると、次のようにもなりえる。

男性手帳配布のワーストシナリオ

A子「私もそろそろ30歳だし、私は子供も欲しいから、お願い結婚してよ・・・

(B男の内心:この女、もう30なんだよなあ、コイツもう卵子老化してるかもしれないなあ。

 だったら、自分もっと一杯遊んで、その後25くらいの若い女を引っ掛けて、そいつ子供作らせよう)

B男「ごめん、君と結婚できない、別れよう」

まり男性手帳配布論者は、女性と交際する男性は、「その女性に一途」で、女性側が妊娠やすい時期に間に合うように

男性側が協力する、という「理想社会」を前提にしている。

しかし、残念ながら、現実世界男性は、もっと「薄情」だ。

男性側が「卵子は老化するから40歳女性より35歳女性が、35歳女性より30歳女性が、30歳女性より25歳女性が適している」

という「医学事実」を知ったら、むしろ男性側は「交際相手を切り捨てるための言い訳」に、その医学事実を応用してしまう可能性もある。

で、このB男だが、数年後に目出度く25歳のC子を娶って、子供を作った・・・としても、

その場合は「A子が売れ残ってしまって、そのまま卵子老化で女の一生を終えてしまう」。

そうすると、出産チャンスがある女性を一人、活用することに失敗してしまうことになる。

逆の言い方をすれば、B男は、似たような世代のA子と結婚せず、下の年代のC子と結婚してしまったことで、

C子と同世代男性1人(仮にD男とする)を「あぶれさせてしまった」ということになる。

理想の世界

「A子が30歳時点でB男と結婚して子を作り、C子はD男を結婚して子を作る」のだろうが、

薄情なB男のせいで、「B男とC子は結婚するが、A子とD男があぶれる」。

或いはA子とD男が結婚するかもしれないが、その頃にはA子はアラフォーになって、妊娠能力が著しく衰えている。

まあ、こういうB男には天罰が下って、年下の女性を引っ掛けようとしても失敗して、

結局一生独身で終わるかもしれない。

その場合でも、A子の結婚妊娠チャンスを潰したという「罪」は消えない。

要は、高齢不妊男性への啓蒙は、やり方を間違うと、

「今付き合っている女性を切り捨てて、もっと若い女性をゲットしよう」という男性の「飽くなき欲望」に

「火をつけてしまう」危険性がありえる。

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