2015-07-30

僕が起業してからモチベーションが消えるまで

30代半ばの男。

数年前に会社を辞めて法人をつくって今に至る。

起業直後はモチベーションの塊だった。サラリーマン時代から仕事大好き人間だったけど、会社を作ってからは更にやる気がみなぎっていた。

自分パワポに描いたとある商材の購入サイト概要図(落書き)を持って、上場企業電話アポ→会ってくれた人に「こんなん作りたいんで、広告出してください」とお願いした。

営業の経験なんかなかった。元々事務職口ベタさらに人付き合い苦手で内気な性格だが、やらなきゃならんという覚悟と異常なモチベーションがあれば突っ込んでいけるもんだ。

会ってくれた人からパワポだけじゃわかりません。今、デモサイト見せてください。」と言われ、「システムはこれから作りますデモはそれまで待ってください。」とカミカミで返答したときの呆れられた顔。静まる室内。緊張感。でもひるまなかった。大きな問題なんかないんだ、あっても何とかする!前に進むことしか考えられないバーサーカーのような状態だった。

こうして勢いだけでなんとか最初の難関「営業」が終わった。

何社か回ったうち、数社から好感触を得たのでサイトの開発に着手した。といっても開発の経験なんかない。調べたところ、WordPressRuby on Railsというのを使えば求めているサイトが作れるようだ。お客さんには開発に数ヶ月かかると伝え、WPRailsについて最低限の勉強をした。そしてWordPressRails、それぞれの開発で有名な人に少しだけ時間をもらって話を聞きに行き、判断に迷う部分の方針を確定させた。そこからリガリ開発して、必要最小限のシステムが完成した。サイト流行るかわからんのだから最初は最低限でいいんだ、という考え。お客さんには予定どおり開発が終わりましたと伝えたが、スケジュール的にはギリギリだった。というかRailsがわからなくて開発自体できないんじゃないかと思う瞬間が何度かあった。しかしバーサクがかかって喰う寝るタレる以外はずーっと仕事に打ち込んだ結果、なんとか開発はできた。これで第2の関門「システム開発」が終わった。

そしてめでたくシステム運用開始&サイトオープンサイトWordPress連携して動くシステムRails)。

一日のアクセス数が○件で、そのうち○パーセントコンバージョンして...と皮算用していたが、実際には全然コンバージョンがなかった。

そこから色々とWebマーケ的な工夫をしたが、結局「そもそも需要が少ない」という根本的な問題の前では、枝葉の工夫など無意味に等しかった。

3つめの関門「集客」でコケたかっこうだ。

商材のサイトは失敗した。だが会社の売上を上げなければならない。そこから最初サイトシステムビジネスモデルとは全然無関係仕事を探し、やれそうなことはやってみた。そうしているうちに、当初考えていたビジネスではなく、注文を受けて何かをやる、代行業のような商売がメインになった。

そのうち、商売では何が必要なのか?どうしたらお金を出してまでやってほしいと思われるのか?ということが見えてくるようになった。同時に、先のサイトでのビジネスが失敗した理由と、成功させるために必要ステップ飛ばしいたことに気付いた。また、新たにビジネスをつくるには、"事前に"人を巻き込むことと、そして...ここぞというときギャンブル(まとまった投資)をしなければ次の段階にいけないことに気付いた。人を巻き込むこととギャンブル。どちらか一方じゃなく、両方必須。だがどっちも本来自分性格には合わない。ここでふと自分限界が見えてしまった。

起業当初は無知ゆえに、小さいサイトを金かけずに一人で作ってコツコツやればいつか認められ拡大していけるような気がしていた。そんな可能性を夢見て、様々なビジネスアイディア手帳に書いてはモチベーションが上がっていたが、今じゃアイディアを見ても自分にはできないと無意識的に判断してしまう。そのアイディアビジネス化するのに必要人間関係の構築。取るべきリスク。この2つが頭に浮かぶと、(自分には)できない、という結論になってしまう。

つのまにか"できること"から発想するようになり、平々凡々とした仕事だけするようになってしまった。

そんな日々を送っていたら、起業当初のモチベーションが消えていた。変に知識がついたせいか、期待感・高揚感より、実現するためのステップリスクが頭をもたげてくる。今じゃアイディア勝負なんかやる気がしない。現実的に売上が上がることしかやる気がしない。

何のためにわざわざ会社つくったんだろ。この先どうしようか。

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