http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1203/13/news104.html
この騒ぎを見ていて思うのが、子供たちのネット上での居場所なんて大人の胸先三寸なんだな、ということだ。
見たところアメーバピグのウェブサービスの収益源は広告収入か直接課金が主で、それがなければ事業が継続しない。つまり、サイトを閉鎖しなければならない。だからピグにとっての優良顧客は広告をクリックしてくれる人、直接課金をしてくれる人になる。けれど、普通子どもが直接課金できる額なんてたかが知れているし、広告だってだいたいは購買力のある社会人に向けて発信されているものだ。当然運営は社会人のユーザーを逃がさないような方向へ進む。
じゃあ、最初から子供なんてユーザー登録させなければいいなんて思うんだけど、子供でもユーザーがたくさんいることはそれだけでアピールになるし、おそらくアメーバやそこに広告を置く企業は子供たちを将来の顧客として捉えている。サービスの賑わいが演出できて将来の顧客であるところの子供たちへのプロモーション効果を狙った企業が高い広告費を払ってくれるなら、多少の行儀の悪さは大目に見ようという判断だったのだろう。けれど、そんな行儀の悪さも度を過ぎてくると、他のユーザーからの苦情に対応が追いつかなくなってくる。優良顧客の社会人は嫌気がさして他に移ってしまう。収益を優先するなら今回のような対応を取るのがベストと運営は判断した、と、背景はおそらくそんな感じだとおもう。
ピグに限らず他のサービスだって同じだ。運営にはサーバ代がかかる。人件費がかかる。最近はソーシャルゲームの収益性が話題になったりして、ウェブって儲かるんだ、なんて思われるのかもしれないけれど、実際ウェブで儲けるのはとても難しい。多くのユーザーで賑わうサービスが蓋を開けてみると赤字だったなんてよく聞く話だし、今何億と売り上げるウェブサービスも3年後にまだ存在するかどうかすら分からない。だから企業は事業存続のために収益化に躍起になる。そんな企業が、広告をクリックしてくれてあわよくば有料課金してくれるユーザーと、他のユーザーに害を及ぼすだけで金をほとんど落とさないユーザーのどちらを取るかなんて火を見るより明らかだ。
けれど、それでいいのかという疑問はウェブサービスを生業とするものになら常に誰にでもあるだろう。アメーバの運営掲示板に寄せられたコメントを読むと、ただただフラストレーションをぶつけただけのものも多いには多い。そんなコメントを頭の悪い厨房の戯言と嘲るコメントも、また。しかし、そんな中でも目立つのは今まで友人とコミュニケーションをとっていた場が無くなることに対するやりきれない思いを綴って、なんとか運営者の考えを変えてやろうとするコメントたちだ。年齢を偽ればいいじゃないかなどというずるがしこさも見えず、そんなコメント一つで企業の姿勢が変わるわけがないとわかっているから痛々しい。
個人的には今回のアメーバの対応はある程度正しいと思う(ベストは個別のアカウント停止だろうけれど、主に文章をやりとりするSNSに比べると対応が線引きしづらくコストが掛かるという判断だろう)。どんなウェブサービスにも存在するには理由(大人の事情含む)があるし、人と人が関わる以上ルールがあってしかるべきだからだ。それを偽って子供の楽園と化してもそれは偽善だろうし、なによりサービスが継続できなくなるんじゃないかと思う。でも、悲痛なコメントたちが語る、コミュニケーションの場としてのピグは運営者にとってもある意味やりがいに通じるものであることは確かだろう。この対応の裏にある、収益を優先しなければならないやりきれなさを想うのは考えすぎだろうか。
しかし、今回の対応でネット上の子どもたちの居場所がひとつ消えることは確かだ。そこで行われた考えの足りない数々の愚行は消え去るだろう。同じように、子供たちの日常を支えたであろうネット上での会話もなくなってしまう。都市部に子供たちの遊び場が無くなったと言われて久しいけれど、経済主義によって動くネットも同じだ。そこでは、子供たちの居場所を守ろうなんていうインセンティブは働かない。子どもはいつも隅に追いやられて、隔離される。何が間違っているんだろう。経済優先の資本主義のせいだろうか。いつの時代も変わることのない子どもの愚かさのせいだろうか。
子供たちよ、ネット上におまえたちの居場所はない。それは僕たち大人のせいだ。大人を恨めばいい。好きなだけ罵声を浴びせればいい。
そして何が問題なのか考えて、今の不甲斐ない僕らよりもたくさん、子供たちに居場所を作ってあげられるような大人になって欲しいと思う。
そもそも子供に「不特定多数の人間が集まる遊び場」なんて必要ない。 昔から子供でも入れる「不特定多数の人間が集まる遊び場」なんて無かっただろ。 そういう場は大人向けの場であ...
大人にネットでの居場所を制限されたら自分でかんたんなホームページ作って交流すればいいと思うけど たぶん子ども達はそれをせずに似たような形のハンゲームに移動するでしょう
かつて俺が現役中学生だったあの頃、ネットにはむしろ子どもしかいなかった。 まだブログなるシステムもなくてチャットと掲示版(と時々eメール)がコミュニケーションのすべてだっ...
それはそこが単なる厨サイトだっただけでは… 昔は親に知識が無かったから野放しだったけど、 今はまともな親なら子供にネット使わせる時はフィルタリングするのが常識になりつつ...
CGIのエンドレスバトルってのを友達とやってたなぁ。 なつかしい。