はてなキーワード: 保証人とは
昔話をしようかとおもう。
改正貸金業法は色々あるけど、年収の1/3を越えて貸し付けてはいけないっていうのが一番大きい。
しかもこれ合算。まあ、普通に考えたらそうだろう。良い事だと思う。
さて、これから書く話は、もう出来ない。改正される前の貸金業法に関わる話だからだ。
特定は色々と面倒だし迷惑かけそうなのでぼかして書く。ある男から聞いた話風に書こうと思う。
工場勤めで寮住まい。手取り15万ちょい。娯楽はネットとはいえ、たまに飲みにでてれば金は貯まらない。
運が良かったのは、クビになったのが夏だったことだ。
どうすれば良いか途方に暮れた。さほど危機感がなかったのは、貯金が10万はあったからだ。
しかし、家は借りられない。友達は少なく、迷惑はかけられない。故郷には帰れない。
男はそのとき知らなかったが、親族に頼れずいったん貯金をなくすと、人はすぐホームレスになるそうだ。
今なら判るが、探し方が悪かったのもあるんだろう。見つからなかった。
金はすぐ底をつく。正確には、底をつきそうになった。
男はすごく怖くなった。
二度と抜け出せないんじゃないか。
たまたまだった。
借りられるはずはなかったが、借りられたらいいなと思ってアパートを見ていた。
びっくりする家賃のアパートがあった。ぼろいのに130万円。なんだこれ。
4畳半が2つ。トイレバス別。二階建て。テラスハウスとあった。
いくら二階建てでも築30年オーバーでそりゃないだろと思って目を疑った。
売り物なのだこの家。たった130万円で。
もちろん今の自分からは望むべくも無い金額だが、それでも家だ。
いくつかのサイトを見て、一着しか持っていなかったスーツをクリーニングに出した。
床屋に行った。
そして、消費者金融に行った。免許を持っていたのは運が良かった。
一カ所あたり10万〜15万貸してくれた。全部で40万くらいになった。
その金を元手に、漫画喫茶に本格的に居着くことにした。
スーパーのバイトを見つけて、その男はその男なりに懸命に働いた。
一カ所あたり1万円〜3万円の返済日。
30万に減っていた所持金から、返済。また幾日か立ち、やっとバイト代が5万入った。
うまくいくかは判らなかったが、ここで25万になった。
うまくいくという根拠のない自信だけが心の支えだった。
所持金が5万になったところで、さらに借りに行ってみた。
「限度額を引き上げませんか?まじめに返していただけているようですし」
あの頃は本当に甘かったのだ。半年経っていないのに。
常に限界まで借りて、毎月一定額で返し続ける。
そして、一年経ったところで、やっと達成できた。
完済まで5年かかった。
バイトも何度かクビになったり、店が無くなったりもした。
それでも、帰る家があることは大きな支えになった。
本当に大きな支えになった。
日本は豊かだ。
節約すれば、毎日シャワーを浴びて自炊をしたところで、食費に電気ガス水道で4万くらいだ。
生きていくのに、家があればたいした苦労はない。
ほんとうに。
家が無くなるのは嫌だったので、税金もまじめに払った。今も払っている。
立て替えは出来ない。立て直しも出来ない。
それでも、家があるだけで全く違うのだ。
これである男の話はおしまいだ。
消費者金融を礼賛する気も、借りづらい家を非難する気もない。
ずいぶん多く払った気がする。もちろん、助かったから文句はない。
結構怖い人だったが、色々教えてくれた不動産屋のおっちゃんにもずいぶん助けてもらった。
いまあの男がこうしてあるのは、いろんな偶然や運があったからだと思う。
それでも年収100万以下だったある男に、無謀な金額を貸し付ける金貸しが居たからだというのは事実だ。
その男には出来なかったが、家族が居る人は、親戚が居る人は、仲直りをして頼れるようにしておくべきだ。
現状、一番右のしか見て無いから、連帯保証人つきがあたりまえみたいになってるけど、こうなったら連帯保証人になってくれた人には無茶苦茶感謝するようになるな。
ほかの増田が書いていたように、アパートの部屋借りるのに連帯保証人制度を使うのって、なんか大げさすぎて本来の使い方と違うんじゃないかと思うんだ。
上の弁護士では無いけれど。
貸主からしたら、リスクの担保だから連帯保証人がいるからこそ家賃を安く出来たり、金利を安くできたりする。
きっと、
「通常は家賃10万、保証人付きなら9万、連帯保証人付きなら家賃8万、さあどれにする?」とか
「通常は金利10%、保証人付きなら6%、連帯保証人付きなら4%、さあどれにする?」
ってのが本来の使い方なんだろうね。
横です。
連帯保証制度=悪ってわけじゃないけど、制度の利用のされ方に問題がある。
そもそも、連帯じゃない、保証人という制度があるんだから、基本はそっちを使うべきなのに、軽々に連帯保証が使われ過ぎなんじゃないかと。
■ありがちな問題
・濫用 - 単なる保証人ではなく連帯保証人を求められる契約が多い。アパートの賃貸契約まで連帯保証とかいらないだろと。
・一括請求 - 債務者が破綻し返済不能になった際、債権者が連帯保証人に一括請求を求めるケースが多い。応じなければ自己破産せざるを得ないなど、貸す側も考えろや。
・根抵当 - 連帯保証とはちと違うけど、担保以上の抵当を設定した債権が多く、借主がとんだら連帯保証人に一括請求が来る。その時に、根抵当とのコンボで、自分がサインした以上の借金を背負うはめになる。
・・・などなど、他にも色々と問題が多いと思う訳ですよ。
現行の連帯保証制度の廃止ってのはやるべきで、新しい保証人制度の構築(制度改革も、貸し手&借り手の意識改革も)をすべきだと思うですよね。契約に関する教育も含めて。
保証制度を理解しないまま、軽い気持ちで連帯保証人になっちゃうアホはしょうがないとは思うけど、それで不幸になる人をホットケとは言えない訳で。
借金の担保としては、いろいろな物が認められています。
不動産や抵当権などを担保として取る事を通常「物的担保」と言います。
保証人や連帯保証人と呼ばれるモノを「人的担保」などと呼んだりします。
担保自体は悪ではないが、人的担保は悪だねとして禁止しようとしています。
心配がなければ保証人は要求しないよ。保証人ってのは貸す側のリスクを保障する存在だから、リスクがなければ保証人なんかいらない。
(元増の記事とはあまり関係ないかもしれないけど)
部屋を借りるときの「保証人」って、貸主側は、何を心配して保証人を要求してるんだろう?
家賃?もし(2年契約するとして)2年分の家賃を全額前払いできるならば、保証人は要らなかったりするんだろうか?
地域住人に迷惑をかけた場合に「なんとかしろよ、お前の知り合いだろ」とクレームつけるため?だったらどうしても保証人必要だなあ・・
横だけど。
普通こういう話の場合、「連帯保証人の禁止をするなら、貸し付け条件緩和とセットでなければ死んでしまう人がでる」とかの方へいくのにね。
「貴方という人間の信用を保証する人間を用意してください。保証できなくなった時、変わりにその信用を引き受けると言ってくれる方の存在により貴方という人間を証明すれば、お金を貸しましょう」
ってだけの話だ。
そんな回りくどい表現を使うから、判りにくくなるんだよ。
「あなたは信用ならないが、連帯保証人の方は信頼できそうだ、あなたが返せなければ保証人から返してもらいます。」が連帯保証人の制度だ。
信頼されているのは保証人で借りる人ではない。
だったら最初っから借りる主体を保証人の方にしとけよって思うのが普通。(実質そうだしね)
でもそういう話だと、保証人の人は嫌がるだろ?
だから、「変わりにその信用を引き受けると言ってくれる方」みたいな表現で騙して、無理やり金の貸し借りに巻き込んじまうんだよ。
こんな制度なくしちまえ。
アホか。
信用の取引ってのは売買契約や、対価として金銭を支払い現物を直接やりとりする一時貸与とは全く違うんだぞ。
貸与側の優越を利用した暴利の強要以外に不当なんてものはないんだよ。
保証人は信用を取引するための条件でしかない。
「貴方という人間の信用を保証する人間を用意してください。保証できなくなった時、変わりにその信用を引き受けると言ってくれる方の存在により貴方という人間を証明すれば、お金を貸しましょう」
ってだけの話だ。
貸す側からしてみれば条件が飲めないなら貸せません、というだけ。
貸す側が一方的にリスクを追うシステムを強要しようとすることこそ不当だろう。
「金が必要だけどないんです。貸してください」って言ってくる通りかかった見ず知らずの人間に、見境なく貸す馬鹿なんていないんだよ。
現在手元に23万円ある。親戚から借りた金だ。そのうち16万をアパートの頭金に使う。
残り7万のうち、職場までの定期代が2万5千円。
残り4万5千円のうち、4万円は来月の家賃で消える。
残り5千円で次の給料が入るまで凌がなければならないが、その間にもクレジットカードの請求やら色んなものが押し寄せてくる。
次の給料も、研修などの日数が少ないために10万くらいしか入らない。ちなみに派遣社員だ。
地元に仕事がないから他所へ出かけて内定を貰ったが、このまま強行して良いのか。
今日、アパートの頭金を払う期日だが、キャンセルしたほうが良いのだろうか。
仕事がしたい。でも仕事がないから仕事のある場所へいきたい。でも仕事がある場所へいくにはお金がない。
考え込んでしまっていて、昨日から眠っていない。もうこんな場所にはいたくない。
田舎で未婚の母で夜の商売をして体を売っていたことを学友や学友の親、教師からも馬鹿にされ続けた。
地元で商売をしている人からは、俺と母親が買い物に出かけたときに「あなたの息子さん(その場に一緒にいた俺)はろくでなしになるねえ」と笑いながら言った。俺が風邪をひいた時に地元の開業医へ診てもらいに行ったら、他の患者が「この子死んでくな」と言って笑った。夜の商売の相手は、同級生の親や学校の教師だった。
誰もが俺の名前を知っていた。ただしプラスの意味ではなくマイナすの意味で、何一つ努力をして結果を出しても報われず、逆に「お前がこんな成績を出したら、他の生徒が迷惑する」とまで言われた。
母親は母親で、小さい頃から俺のことを「ガキ」と呼ぶし、「未婚の母のもとで生まれたんやから、あんたはまともな道を歩めやへん」と散々吹き込まれ、俺が何かしたい、やってみたいというと「あんたには無理や」「絶対うまく行かん」と全ての希望や夢を打ち砕き、「あんたは失敗作や。褒めるところが見付からん」とまで言われ続けた。この効果は大きい。いつの間にか、俺は自信をなくし、常に下を向き、何かあったらすぐに「すみません」と言ってしまうような人間になっていた。
それでも、仕事には就いて何とか働いてはいた。一人暮らしをするために保証人になって欲しいというと「あんたに一人暮らしは無理や。子供過ぎる」と言われ、それでも出て行こうとすると「今までお前にかけた金を全部返せ」とまで言われた。
今は母は仕事をしていない。仕事をしていてキチガイのような状態になっていたのかもしれないが、今までの精神的虐待は一生忘れられない。人格形成も何も考えられない。出て行くと言ったとき、自宅にネットがあって、もっといろんな情報が整っていればよかった。
過去を振り返っていても仕方がない。出て行かなければ。
URを民間にするのはやめてください。
URは保証人不要、一定の条件を満たせば職業や人種に関係なく入居できます。
そのうえ、礼金、仲介料、更新料も不要で、一定期間家賃を延滞しない限り住み続けられます。
火災保険については任意加入ですが、個人で安いところを探せばいいので費用負担も少ないです。
また、退去時に敷金から引かれる分も修繕費と清掃費のみ。
よっぽど汚くしない限りかなり戻ってきます。
一人暮らしをはじめる際に事情があって保証人になってくれる人がいませんでした。
その時知ったのがURでした。
身寄りのないお年寄りや、無職だけど貯金はある方、特殊な職業の方、私のように保証人になってくれる人がいない人には大変貴重な存在です。
民間の保証人代行業者は料金が高く、また民間の場合更新料や敷金の払い戻しでのトラブルも少なくありません。
今回のURが仕分け対象になっているというニュースは、既に入居している方やこれから入居を考えていた方にとっては大問題です。
保証人、更新料、礼金、仲介料が不要なこのURをなくせば住むところを失う方がでてきます。
仕分け人の皆さん、お願いです。
無駄を削減するのはいいですが、URの制度そのものは大変すばらしいものです。
仕分け人の皆様には利用者の声を聞いた上での仕分けを期待しております。
他人に気軽にモノや金を貸すからだろ。
それに尽きる。
俺は、もし返って来なくても困らないものしか貸さない。
金は、毎週会うような仲の良い友達に飯代や飲み代一回分しか貸さないし、
あまり仲良くない人に貸してと頼まれたら、貸さない代わりに別の人に
「こいつ困ってるんだけど」って頼んであげればいい。
利回りを計算して、信頼が出来る相手で、焦げ付きのリスクが低く、
成長する見込みがあれば、借用書だけじゃなく公正証書にして残す。
そうすれば強制執行も出来るからな。
その話しをした時点で、ほとんどの奴は俺から借りるのをあきらめる。
連帯保証人には死んでもならない。親兄弟だとしてもならない。ふざけんな。
モノだって、なくなって困るものは貸さない。
当たり前のことだ。
お前は、自分のスキをスキだと思っていないのが、一番のスキなんだよ。
気軽に金や大事なものを貸してくれるカモの情報はすぐに広まる。
これからどうすればいいか。
それは、もう誰にも何一つ貸さない人間になればいい。
それで去って行くような友人は、しょせん金目当てだ。追わなくていい。
1年も続けてれば、カモリストから外してくれるだろうよ。
実質嫁一族の会社で雇われ社長なのに父親が家を抵当に入れたのが間違いでは?
それだけの資産があるならもともと祖父が保証人になって祖父の家を抵当に入れるべき。
というか、引き継いだ時点で保証人を引き継いでいるのがおかしい。
引き継ぐなら借金なしで引き継がないとおかしい。保証人になったと言うことは借金があったということ。
その時点で、借金引き継いでるじゃん。それがおかしい。
無借金状態だったのに、父親が借金重ねたのならそれは自業自得。
借金があった会社の社長を引き継がせて、借金させたなら、前の社長はある意味計画的といわれても仕方がない。
508 :名無しさん@お金いっぱい。:2010/02/04(木) 22:27:12 ID:UmutD1lF0
お前ら切込隊長の凄まじい経歴にひれ伏せよ。
2001年9月に謎のハッカーが911の混乱に乗じて流出させた山本一郎のプロフィールだ。切込本人もガチ情報だと認めている。
なんでもシカゴ大学のベンチャーキャピタルが作ったプロフで、当時はラムズフェルド国務長官も危険人物として切込をマークしてたんだとか
山本 一郎(英登記名 Ralph Yamamoto,NL) 最終更新日:2001年 02月 04日
生年月日:****年 **月 **日
留学その他:シカゴ大学(1994:米),モナーシュ大学(1995:豪),モスク ワ大学(1993:ソ)
主要取り扱い銀行:***銀行(スイス),**銀行(蘭),****銀行(アイルランド)
職歴等:関連データ参照
経歴特記事項(略記):
筑前竹中家庶流。赤穂藩淡路山本家分家。祖父**、四男父**。
始祖父代に武家売役、回船問屋泉屋、蔵問屋泉屋を名乗る。以後、中央区八重洲界隈の地主として現在に至る。
父**は*士*学*業(同族企業)を経営する他、三菱の流れを汲む四社 の代表取締役を勤める。(1990)
国際電気入社。人事部配属(1996)
父**、不動産管理業の失敗が理由で全ての保証人を山本*郎に移す。
金利等減免措置適用さる(1996)
同年退社(1996)
企業調査では特に秀でた実績を有す(1997)
******・****・***証券(英)傘下****・****社
慶応義塾大学時代、中道右派系学生自治会の委員長を務めていたこと が判明(1999)
米国株売却益により*士*学*業等同族企業の債務の過半を返済(2000)
この頃、在米資産の過半が処分される(2001)
性格: 生真面目、頑固、議論好き、完璧主義という証言が大半を占める。他に
補記: 中学、高校時代は数学オタク、嘘つきなど風評芳しからざる学生だったという証言あり。
大学進学後は態度が改まり自治会:文化団体連盟の委員長に選出されるなど、
この頃、代議士熊谷弘、大平正芳、橋本龍太郎らの子息と親交を結ぶ。
ファンタジー研究会に所属。この頃、偽名でライトノベルを出版。シリーズ累計400万部を超えるベストセラーになる。
大学時代は射撃部、体育会本部を経て自治会の委員長に推薦され、主に体制側として手腕を振るう。(1995)
******・****・***証券(英)傘下****・****社においては、
取引先に言い寄られ、ストーカー容疑で二件の被害届を提出している(1999)
オラクルとDELL投資により30億の利益を獲得(個人資産) (1999)
金融監督庁デリバティブ査察チームのアドバイス業務を行っていた形跡あり(1999)
この頃、同僚が自殺(2000)
日本辺境論
ttp://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/post-1146.html
「ここではないどこか、外部のどこかに、世界の中心たる「絶対的価値体」がある。それにどうすれば近づけるか、どうすれば遠のくか、もっぱらその距離の意識に基づいて思考と行動が決定されている。そのような人間のことを私は本書ではこれ以後「辺境人」と呼ぼうと思います。」
かつては中国であり、欧米列強であり、今はアメリカあたりが中心になっている。
「私たちに世界標準の制定力がないのは、私たちが発信するメッセージに意味や有用性が不足しているからではありません。「保証人」を外部の上位者につい求めてしまうからです。外部に、「正しさ」を包括的に保証する誰かがいるというのは「弟子」の発想であり、「辺境人」の発想です。」
この本が面白いのは、辺境人だからダメだ、というのではなくて、辺境人の強さもあるという、ポジティブな開き直りのベクトルで書かれているところだ。たとえば「外部に上位文化がある」というロマンは無限の「学び」につながる。どこまでいってもまだまだ上があると思い込んで道を究めていくことができる長所がある、という。
件名通りだが、実の親にも親友にすら語れない本音をどこかに残して置きたい。
とても汚い男の人生だ。
正義感のある人間、挫折を知らない人間、知りたくない奴はここまでにしてくれ。
苦しんでいる人、同じ悩みを持つ人に伝えたい。
つたない長文を覚悟してくれ、ブラック企業になんたらみたいな落ちもない。
今、俺は間違いなく人生のどん底に居る。
隣の部屋には、もはや俺を豚とかバイキンとしてか扱わない
今や少しでも多く金を得ようと弁護士を探すことに余念がない。
一度目の挫折で心を折っていた俺が守ろうとしたもの
この5年は、ただただ金を稼いだ。
今になって解ったが、歩いて直ぐの場所に嫁の弟が暮らしている。
どうやって日本に来たかって?
俺が保証人だ。
書類は嫁の帰化申請の為に必要と聞かされ何度か2部づつ揃えた記憶がる。
それを使ったのだろう。
本気ではない帰化申請に付き合い、会社を休み嘘を付き、喧嘩腰の嫁に切れた役所の人間にペコペコ頭を下げた。
嫁とは5年前、国際結婚紹介所で出会った。
一度目の恋愛に挫折し心を閉ざしていた俺にとっては、言葉が不自由なのが丁度良かったし、正直自分に自信がなくなっていた。
日本人という下駄を履けば愛してもらえると本気で考えた。
嫁は本当に天使だと思った、都合よく。
偶然貯金がたんまりあった、最初の半年は幸せな日々だった。そう思った。
彼女の学費を払い、家を買い、いろいろな国を旅した。
貯金がつきてから金、金とねだる嫁を元に戻すため
それでも、どこかの掲示板で苦しむ同じ環境の人間を見下し、俺は安心して眠っていた。
俺は、俺達は違う、愛し合っている。
結婚の日に嫁は言った、「貴方なら月収15万円でも側に居るわ」。
カードを預けると使い切り、借金を残して国に帰った嫁をなお信じたのは、その言葉が心底嬉しかったからだ。
一年後にはインフルエンザでタミフルを処方され、高熱にうなされながら
「側にいてほしい」と電話をかけた時ですら、嫁は一月後に帰国した。
「明日には帰る」という言葉を何度も信じた。電話をしなくなった頃、彼女は平然と帰国した。
何故そんな女と?と思うだろう。
そんな後ろめたさがあったんだ。
初めての彼女は病弱で、少し年上だった。
若い人には珍しいだろうが、同じ漫画が好きな事がきっかけで始めた文通で知り合った。
付き合ってからも、デート出来るのは月に数回だった。
俺が「好きだ」といった時、泣きながらありがとうと何度も何度も繰り返した。
俺はゲーム業界を目指し、でも安い賃金と自分の才能の無さに嘆きシステムエンジニアに転向した。
なにより結婚がしたかったし、彼女の両親を説得させるためシャカリキになった。
仕事が面白くなり、ある程度金の余裕も出て、没頭し飲み屋や風俗遊びも覚えた。
深夜に泣きながら寂しいとかけてくる、そんな電話応じる回数も減った。
「小さい部屋でも一緒に居たい」とそんな言葉も耳にはいらなかった。
独りよがりで二人分張り切っていた。体が弱く働けない彼女の分も俺が働けばいい。
自殺した日の最後の発信は私宛てで、私は職場で徹夜作業しており出ることは無かった。
彼女は、最後に付き合っていた男に酷い台詞で振られ耐え切れず、元彼の俺に電話をしたんだ。
そうか、おれは元彼だったのかと。更に憎もうとした。
その男は、システムエンジニアで、同じ血液型、彼女は俺と同じあだ名で呼んでいたようだった。
彼女の遺品整理では、どうやって稼いだか解らないが、ほぼ手をつけられていない小銭ばかりの貯金が100万以上見つかった。
そして、鍵のかかった戸棚からは、私からのプレゼントの服やアクセサリーが綺麗に封をされたまま見つかった。
その下からは写真の欄だけ切り取られた不合格の履歴書が大量に隠されていた。
更に解った事は、最後に付き合っていた男に性病を移されたと責められていた。
その後、検査に行くと俺も病気だった。俺は取り返しのつかない事をしてしまった。
俺は最低な人間だ。
でも、もう一度幸せになりたかった。
だけど、神様は許してくれないんだよね。
この罰を受けきろうと思う。弱音を吐かず、粛々と。
きっと最低な俺は、明日も平然と会社に行き、平静を装い仕事をするだろう。
嫁との争いも戦わなければならないだろう。
一度だけ、ほんの一度だけ、本心をどこかに書いておきたかった。
「ごめん、済まない」
医者の立場になって考えて欲しい。
いちいち説明のレベルを変える手間が大きすぎる。
というかどうせ患者は理解できない。
特別な症状であればともかく、人間ドッグなんて画一的に検査するのがミソなんだから、
画一的な対応は当然。
持ち物制限だって大部屋だって保証人だって強制入院だって、少ない人員と患者の安全のバーターで仕方ない。
医療に影響しかねないものを持ち込んで、全員個室で、保証人無しで、患者がとち狂っても強制入院させない。
そんなのおかしいでしょう。
病院では、医師の指示に従わない、という選択肢を用意していない。
インフォームドコンセントなんてろくにありはしない。
悪化するのを理解した上で、治療の全部または一部を不採用にする、なんていう選択肢は用意されていない。
入院すれば、数人がまとめて1つの部屋にぶちこまれる。
携帯電話、液晶テレビ、新幹線、色々なものが発達したこの現代に。
個室ではない。カーテンで仕切られているとはいえ、見知らぬ人と同じ部屋にぶちこまれる。
かと思えば、医師の判断でろくに動けなくても追い出される。
外出には許可が要る。
物の持ち込みも制限される。
病人に人権? いやいや、病人は人間以下だから、人権は制限されますよ。
というわけだ。
それができない人は、ないがしろにされて当然らしいぜ?
「お前、役立たずなんだから、俺たちの言うこと聞けよ。」
でもなあ。なんだよ、それ。
お前だって、いつ病気になるか、いつ身体が不自由になるかなんて、わからないんだけどな。