はてなキーワード: ファン・ウソクとは
はしゃぎたい気持ちも理解できる。
しかし、組織全体にとっては、そんなこと日常茶飯事であって、淡々と右から左に流していく案件だ。
笹井氏が、そういう案件の一つとして、いったんリジェクトされた小保方氏の論文を、
構成や表現などをNature編集受けがいいように改善した、というならば、
水曜日の会見内容で何の問題もない。
しかし、問題なのは、1月末の、あのド派手な「割烹着」プレス発表だ。
あれほどたくさんの記者を呼んで研究成果をプレス発表するのは、
いくら理研といえど年に何度もあるわけじゃない。
理研にとっては非日常的に特別なイベントであることが内外に明らかであるし、
「慎重に準備されてないはずがない」と周囲が考えるのは当然だ。
そのプレス発表の主役として立ったのが、小保方、若山、笹井の三人。
その中で、ユニットリーダーとはいえまだ駆け出し研究者の小保方氏、
かつて理研職員だったとは言え、今は外部の人間の若山氏の二名に比べ、
理研CDB広報にとって上司の代理にあたる幹部・副センター長である笹井氏は、
あのプレス発表に全面的に責任があると考えるのが妥当であろう。
暇なネット界隈の徹底した重箱隅つつきに遭うこともなく、
もちろん、研究の杜撰さを知っているCDB他部門の同僚たちからの厳しいチェックや、
分子生物学コミュニティからの激しい反論に晒されることにはなったろうが、
少なくとも野依理事長が公の場で頭を下げる事態には発展しなかったろうし、
自身も前髪に比べかなり寂しい頭頂部をああして晒すこともなかった。
水曜日の記者会見で、一月末のプレス発表を手配した責任を問う質問が何もなかったのは残念だ。
まあ、集まった連中全員が、あのプレス発表が結果的にもたらした失態によって仕事にありつけたのだから、
感謝こそすれ糾弾する理由は何もないので、当然といえば当然なのだが。
シェーン事件、ファン・ウソク事件、常温核融合事件に比べるとスケールはずっと小さい。
あのプレス発表さえしなければ、理研CDBと分子生物学コミュニティの外には、
ほぼ何ごとも起こらなかったであろうから。