2024-11-14

建築家に家を任せたら変態物件になった

友人(バ金持ち)が「どんな豪邸も時がたてばタダ同然になる」という事実絶望し、

「ならば、価値が下がらないように歴史に残るような家にすればよいじゃないか!」と思いつき

将来有望な若き建築家に「ここに君の最高傑作になるような家を建ててほしい、予算は好きなだけだ!」

と言って家作りを依頼した。

建築家は相当張り切ったらしい・・しかし、完成した物件に招待された私は愕然とした。

外観:特定防止のため詳細は伏せるが妙に波打っており階段状でところどころ円形の突起がある。

車庫:ベンツマークの門がありそれが回転する。友人はベンツを常用しておりそれを建築家が汲んだそうだが、

   友人は「一生ベンツしか乗れない!」と嘆いていた。

庭 :見たことのない植物が植わっていた。備え付けのヒーターで加温しないと冬には枯れるらしい。

玄関:3階まで階段が続く。玄関以外の1階や2階に行くには一度3階に行き両サイドにある螺旋階段

   下らなければならない。ドラクエのような仕様

リビング:3階から入り2階までの吹き抜けになっていて無数の円柱が屹立していた。それぞれの頂に椅子

    テーブルがあり日によって使う場所を変えられるらしい。

キッチンリビングの真ん中に鎮座しており木の細かい格子で囲われており座敷牢のようだった。牢屋の中で奴

    隷に調理させる見世物をやるため以外用途がわからない。

風呂入口が段差になっており風呂場全体が浴槽になる。土地はふんだんにあったはずなのになぜか面積の

   節約した天井全てから雨のようにシャワーが出るらしい。

寝室:すごい傾斜になっており上から滑り降りるように入る形式強制的一方通行で外に出るときは下側

   の穴を使わなければならない。

トイレ:唯一まとも。でも1つしかない。

数億を使い我が家変態ハウスにされた友人は激怒し、建築家にどこにも公表しないことを厳命し、珍奇な

物件取材に来るあらゆるメディアを拒絶した。この物件歴史に残ろうと張り切っていた建築家には最も重

い罰だろう。こうして「歴史に残るような名建築」は「歴史に残すことを許されない迷物件」となった。

そして、一つだけ謎が残った。

建築家は、なんでこんなおかしな家を建てたのか?」

友人曰く、建築家に悪意はなかった。前述のとおり、やる気と熱意があり、期待に応えるため必死の様子だった

らしい。むしろ、「素人が口を出して芸術性が損なわれたら困る。有名建築家ならば居住性は最優先に考える

だろう。」と言って完成まで一度も現場に来なかった友人側に責任があるだろう。それでも、こんなおかし物件

が出来上がるのはおかしいだろう。

これは、かなり昔の話だが最近おかし間取りを題材にしたミステリー小説流行っていることを知り、これもあ

る種のミステリーだなと思い出しながら書いてみた。

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