なんかの漫画だかで印象に残った名言があって、最初にその話をさせてくれ
「俺は悪い教師と言われちゃいるが、生徒が5人ぐらいなら面倒見のいい素敵な先生になれる自信があるんだ。教師はきっと皆そうだと思っている」
実にそのとおりだと思う。
のんのんびよりみたいなド田舎で生徒数5人の学校で教師やってるなら、俺なんかでも全校生徒を全員大切にできるだろうな。
じゃあ実際の学校はというと、1人の教師が40人を担当するわけだ。
それもあくまでクラス担当としての話であって、自分の科目について教える相手となればそこから何倍にも膨れ上がる。
その全員をちゃんと見ていられるはずがない。
でも身勝手な親どもは全員をちゃんと教師が見ているべきだって言うし、それにヘラヘラしてる教頭や校長が単なる安月給の教師全員にそれを求めてくる。
無理だろ。
そんな環境なもんだから生徒の方も甘えてきて、自分がせいぜいクラス全体の5%、学校全体なら0.1%の存在でしかないことさえ忘れてくる。
そして俺の仕事は生徒のメンターだけじゃなくて、管理もするし事務処理もするし、当然担当科目について成績を上げる講師としての役割もある。
無理なんだよな。
全然手が回らない。
休日に学校に来て部活動を監督しててくれとか言われたって、そんなことしたら俺の休日なんて全くなくなってしまう。
放課後職員室で人生相談に乗れと言われても、他人の人生を突然背負わされてストレスに対抗するエネルギーなんて余ってない。
そういうのをいくつもいくつも積み重ねられ、ぶっ倒れることも出来ずに働く。
労働基準法の適応外っていうのは、労働者としての人権を保障されないってことを意味してるんだとよく分かるよ。
自分が人権を剥奪されているのに、他人のために生きろってのはかなりしんどいものがある。
教師は神職という言葉があるが、これを教師が神のごとく偉いって意味に捉えるようになったのは後からなんじゃねえかなと。
最初はきっと「神様にでもならねえとこんな仕事は回らねえよ。人間を辞めるしかねえんだよ」という諦めから出てたんじゃないかと思う。
マジで割に合わねえよ。
そういう連中だけだよ。
この仕事をやっていて役得にありつけるようなのなんてさ。