2024-06-30

VRは死んだ。Appleが殺した。

VR」とは「仮想空間に表示した仮想物体操作する技術」のことである

現在VRには重要構成要素が二つある。

一つは「視界が仮想空間で覆われている」、つまり没入型ディスプレイである

もう一つは「自分身体を動かして仮想物体操作する」、つまり体感インターフェイスである

この二つは同じくVRとして括られつつ、しかし相性がとても悪い。

目隠しをしながら部屋のなかを歩きまわるようなものからだ。

たとえばFPSゲームVRでやるとする。

プレイヤーキャラを動かすために自分自身が歩く。

すると現実の壁に頭をぶつけてしまう。

銃を撃つために右手を前方に突き出す。

すると現実の壁に手が当たってしまう。

没入型ディスプレイを使うなら身体を動かすべきではないし、体感インターフェイスを使うなら周囲が見えていなければいけない。

この矛盾は、最先端VRヘッドセットであるMeta Questでも解消できていなかった。

それに対してApple提示したのが「Apple Vision Pro」だった。

一見すると、Meta QuestとVision Proは似たような機械に見えるが、そのコンセプトはまったく別物である

Vision Proは「VR」ではなく「ARヘッドセットなのだ

AR」とは「現実空間に表示した仮想物体操作する技術」のことである

現実カメラ撮影し、それをヘッドセットの内側のディスプレイに表示して、さら仮想物体を重ねることでARを実現している。

なのでヘッドセットを付けていても周囲が見える。

そこにどんな仮想物体を重ねるのか?

Vision Proのコンセプトは第一に「ディスプレイを浮かべること」である

2Dディスプレイを浮かべるだけなのだからMacアプリiOSアプリもそれほど手を加えずに流用できる。

それでいて、現実には置けないような巨大ディスプレイをいくつも自由に配置できる、といったメリット享受できる。

仮想空間に没入するというSF的なイメージを捨て、つまらいくら実用に振り切った、と言っていい。

そしてVision Proは体感インターフェイスを搭載していない。

Vision Proをつけたまま動き回るような想定ではないし、複雑な手の動きを検知するためのコントローラーもない。

操作したいもの視線を向けて、膝の上でわずかに指を動かすだけで操作できる。

まりAppleは「VR」を否定したのである

人はそれほど仮想空間に没入したくはないし、その中で自分身体を動かしたくもないぞ、と言っているのである

そしてMetaも遅まきながらそれに気づいた。

Meta Questは急ピッチVision Proの機能をパクり、いまや立派な「ARヘッドセットになりつつある。

次はどんな社名に変更するのだろうか。楽しみである

  • これはMetaQuest3すら買ってない人だな。 MetaQuest3買ってたら最初にプレイさせられる、部屋をスキャンしてVR空間に取り込むアレに言及せんわけが無いし。

  • VRAVとかコイカツとかやってみるとVRエロの可能性は無限大に感じるけどな

    • VRAVこそ無駄に没入感・疑似体験にこだわって失敗してるんだよな。 判で押したように一人称視点なので、男優がマグロになり、女優が積極的に動かねばならないことに。 接合部のアッ...

      • ワイはVRAVは最初がキモだと思ってるやで 例えば、家庭教師モノだったら、母親と家庭教師と三者面談してるシーンとか、教えてもらってるシーンで顔が近いとかパンチラがあるとか、そ...

        • そう、VRAVはセックスシーンがいちばん抜けないというのが最大の弱点。 普通の3D映画みたいに窓越しに覗いてるみたいなかたちでもいいのに。

  • もしApple Vision Proが失敗したら 市場のAR・MRとAppleへの幻想が終わる

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