反語ではなく、単なる疑問として。
以前は、つけられた星の平均が4.5~5になるとかなり完成度が高い作品、連載で言えば神展開の収録された巻につけられる評価で、トップレビューに並んでいるのも絶賛のコメントだけだったような気がする。それが、いま採点が高い作品のレビューを見ると(星の平均が高い)、必ずしも褒めちぎるものばかりではなく、辛辣な意見がもっとも多く同意を集めていたりする。
要するに、AMAZONの商品画面でぱっと見たときの評価と、意見を個々で見た場合に一番多い賛同を集める評価とがズレている。
何年か前ぐらいから、バズった作品に対して1,000~2,000くらいの異様な数の評価がつくようになっていて(わざわざ文字で投稿されたレビューははるかに少ない)、その頃からこういう現象が起きているような気がする。電書で読み、読み終わったらすぐ評価画面に進む、という接し方が増えてきたのが理由かも。
俺個人としては、以前の傾向の方が作品の質をうまく反映していたと思う。
そもそも、レビューというのは加点方式のやつと減点方式のやつが混在するので(そこそこ面白くて瑕疵がない場合、前者は星3をつけ、後者は5をつける)、どうやっても正確にならないのかもしれないが、とにかく少し昔のトレンドの方が俺は参考になった。
ただ、評価の数が増えれば増えるほど信頼性が上がるというのが市場の原則な気もするので、そういう意味ではいまの方が、作品の質の実態に近いのかもしれない。もちろん、商品の絶対的な価値なんて計りようがないので、嗜好に近い確率が高い、ぐらいの話。
だいたい、自分の感想を言葉にして他人と共有しようなんていうのは良く言えば造詣が深い、悪く言えばメンドくさい「マンガ読み」が多く、この展開は他の作品で前例があって~、とか、この言動はキャラクターの整合性が取れてない、とか、的は射てるのかもしれないが大半のユーザーにはおそらくどーでもいい重箱の隅なので、そういう意味ではレビューのど頭に猛烈にこき下ろす批判が載っていようと、多くの人が星5をつけたなら、それは本当に星5なのかもなあ、とも思う。そういう俺はもちろん、めんどくさい重箱の隅つつき人間。