1mくらいの等間隔を空けて並べられたパイプ椅子に付き添いの小さい子も大きなおっさんも黙って座っていた
パイプ椅子には到着順に番号が振られていて、列ごとに受付場所への出口に近い場所から若い番号になっていた
自分は36番とかそこらへんだった
「それじゃあ、この列の皆さんこちらに来てください」と職員さんが呼びかけると、予診票と摂取券を一様に手にして皆がのそっと立ち上がる
自分も黙って立ち上がり、受付への列へと加わる
廊下には「受付」と矢印が書かれたA3くらいの紙がラミネート加工されて貼ってある
二列にならないようにポールで廊下が仕切られ、足元にはこれくらいの間隔を空けて待機くださいの案内も貼ってある
受付も2人体制で3か所あり、空いたところの職員さんが手を挙げて、「こちらへどうぞ」と呼び掛けてくれる
受付で名前と本人確認書類と予診票を確認すると、すべての書類をバインダーに挟み、ペンと一緒に渡してくれる
「それでは一階にお進みください」
市民の数×2回×?%を試行している経験があるのだろうから当たり前かもしれないが、何もかもが順調でつまることがなく、進んでいく
迷いや疑いの余地もない
お一人、日本語が不得意そうな黒人の方も摂取に来ていたのだけど、予診票確認では英語が堪能な職員の方へさっと案内され、当然のように英会話していた
何もかもが規律通りに予定調和で進んでいくので、運命というものがもしあるとしたらこれくらいつまらない一本道のことを言うのかもしれないとか思った
なんかこのまま死刑台に案内されたら、流れでそのまま上って首輪をかけてしまい、ボタンを押されても疑問に思わなさそうだなとも考えた
注射が終わり、2回目の予約をして、15分待機の部屋でも誰も何も話さず、オルゴール調のBGMと市の取り組みやワクチン説明のビデオの音だけが鳴っていた
大きなデジタル時計が少しずつ進み、時が来ると皆黙って娑婆へ退室していく
15分間することもないので、持参していた本を読んでいた
ちらりと横を見ると、隣の席の短髪刈り上げのお姉さんは背筋をまっすぐ伸ばして、何もせずに座っている
(^^)https://www.irasutoya.com/2016/12/blog-post_914.html?m=1
isisの処刑映像を思い出した 捕虜の人らは殺されると分かっているはずなのにおとなしく従っているんだな 不思議な恐怖映像だった